伊丹シティホテル閉館へ マー君の後援会設立、田辺聖子さんお別れ会…多彩な行事に活用
2022/07/14 05:30
関西スーパーの株主総会。H2Oリテイリンググループとの統合議案が諮られた=2021年10月、伊丹シティホテル
阪神北地域の中核ホテル「伊丹シティホテル」(兵庫県伊丹市中央6)が来年3月末に閉館することになった。大阪(伊丹)空港へのアクセスの良さを生かした宿泊やイベントに加え、全国高校野球大会の代表チーム受け入れなどで親しまれた。一方で、既に一部事業者から運営継続に向けた申し出があるといい、市は引受先が見つかり次第、支援のあり方を検討する方針だ。(久保田麻依子)
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正平調
6月29日の株主総会で賛成多数で決議され、7月13日の市議会都市企業常任協議委員会で報告された。
同ホテルの前身「伊丹第一ホテル」は、地元企業約50社や市が出資して第三セクター方式で運営してきた。2001年にホテルを名称変更し、現在は地元に本社を構える「伊丹産業」が株式の約87%、市が約6・7%を保有している。
宿泊や結婚式、宴会、商工関連のイベントなどに広く活用され、プロ野球田中将大選手(楽天)の後援会設立パーティーや、作家田辺聖子さんのお別れ会も開かれた。夏の甲子園では埼玉と三重の代表校を毎年受け入れており、近くに住む主婦(62)は「試合に勝つたびに正面玄関にお祝いのメッセージが張られた。いつも応援していた」と話した。
ただ、売り上げは1991年の約33億5千万円をピークに、コロナ禍の20年は約3億7千万円と10分の1にまで減った。さらに昨年には施設の老朽化で改修費用が20~30億円と推計され、事業継続は困難と判断された。運営会社「伊丹シティホテル」の高木裕則社長(45)は取材に「コロナ禍でリモート会議や宴会の自粛が定着し、ビジネス出張や宴席による収益の改善が見通せなくなった」と話した。
市は市議会への説明で「(大規模な総会を催す場である)ホテルがなくなって受ける市の損失は大きい」とし「新しい事業者が支援を求めてきたら視野を広く持って精査していきたい」とした。