【違法風俗街】70年続いた「かんなみ新地」が1枚の紙で消えた理由

2022/07/22 05:25

店から漏れるネオン。この光景はもうない=2021年3月5日午後、尼崎市神田南通3(画像の一部を加工しています)

 兵庫県尼崎市で「かんなみ新地」と呼ばれる違法売春街が2021年11月1日、突然に一斉閉店しました。いわゆる「ちょんの間」が並ぶ色街として、関西では大阪・西成の「飛田新地」などと共に知られていました。戦後間もなく生まれた非合法の街が、およそ70年も社会に黙認されながら、一日にして姿を消したのはなぜか。 関連ニュース <5分後の世界 地震予知の夢>(3)直前、猪名川で謎の群発地震 「二藍の会」37年の活動に幕 講師の岩本さん「教えることで力もらった」 22日まで最後の作品展 フィギュア全日本選手権20日開幕 4連覇かかる坂本花織「コンディションいい」公式練習で切れのある演技

 私たち神戸新聞阪神総局の取材班が手がけた記事をまとめて紹介します。
 かんなみ新地の関係者によると、営業時間は夕暮れから0時ごろまででした。遊郭の名残がある飛田新地は、扉が開け放たれた「料亭」の1階に女性が座り男性を待ちますが、かんなみ新地はカウンターだけの飲食店形式で、女性たちは露出度の高いワンピースやミニスカートを着て座っていました。
 店の前を歩いて回り、好みの女性を見つけると2階へ上がり、自由恋愛の建前で性行為をするという流れ。飲食店名目のため、退店時には缶コーヒーやお茶、ジュースといった飲み物が手渡されました。
 2022年7月現在、尼崎市は違法風俗街の一掃に向けて一帯の土地、建物を取得しようと動いています。
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■2021年11月3日
(初報)昭和の遊郭一斉閉店 尼崎「かんなみ新地」 営業70年で初の警告
(https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202111/0014814614.shtml)


■2021年11月23日
 戦後から70年、尼崎の色街「かんなみ新地」に幕 組合解散し風俗店廃業
(https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202111/0014863543.shtml)

 警告当日に何あったのか、非合法のまちはどうして生まれたか、警告はなぜ出されたか…。働いていた女性や、警察、市などの関係者に聞きました。


■緊急連載「色街が消える」
(上)突然の警告、1日で消えた色街 ママさんは言った「もう、ほんまに終わり」
(https://www.kobe-np.co.jp/news/hanshin/202111/0014863884.shtml)


(中)「ここでは人のこと、聞かないのがルールや」かんなみ新地がたどった70年
(https://www.kobe-np.co.jp/news/hanshin/202111/0014866856.shtml)

(下)「もう時代が許さない」 黙認70年、尼崎・売春街解体の舞台裏
(https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202111/0014869356.shtml)

 一斉閉店したとはいえ、過去には警察の摘発後しばらくして営業を再開することが繰り返されてきました。市は周辺住民から根本的な対策を求める声を受け、土地建物を一斉取得して売却する方針を示しました。


■2022年5月31日
旧「かんなみ新地」一帯、尼崎市が購入へ 風俗街の「復活」封じ、更地にして売却
(https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202205/0015347309.shtml)

■(会見要旨)違法風俗街の一掃へ「ここでやり切る」稲村・尼崎市長 旧「かんなみ新地」取得方針
(https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202205/0015348224.shtml)

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