「色」から広げる想像の翼 京都の画家・小沢さかえさん、尼崎で個展 油彩画など「絵の具の質感見に来て」
2022/07/27 10:30
作品の説明をする小沢さかえさん=尼崎市昭和通2、総合文化センター
幻想的な世界を色彩豊かに表現する画家・小沢さかえさんの個展「僕の知らないあなたの翼」が、兵庫県尼崎市昭和通2の総合文化センターで開かれている。初の本格的な個展といい、油彩画や絵本原画など約150点が並ぶ。15日の内覧会で小沢さんは「絵の具の質感など画面越しでは分からないこともある。実際の絵を見に来てほしい」と力を込めた。8月21日まで。(村上貴浩)
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会場に入るとすぐに個展のタイトルにもなっているメイン作品が目に飛び込む。巨大なキャンバスの中央に少女が踊るように立ち、無数の鳥が大空を飛び交う様子が描かれている。
1980年、滋賀県生まれ。国内の芸術大学を卒業後、ドイツやオーストリアで修業し、現在は京都を拠点にしている。これまで京都府文化賞の奨励賞を受けるなどの高い評価を受けてきた。
個展では2007年ごろの作品から初公開の作品まで、これまでの画家人生を振り返る作品が並ぶ。
「お気に入りのドイツの絵の具があって、色から決めて描き始めることもある」「その時々で自分の出せる色が違う」というほど「色」を大切にしている。絵の具をランダムに流し、少し時間を置いて直感的に見えてきた形を描くこともあるという。
また、梨木香歩さんの「岸辺のヤービ」など、絵本の絵も手がけている。絵画とは異なり、絵本特有のリアルさやかわいらしさがある。「文章を基に絵を描くので、作者と何度も話し合う。完成まで数年かかって作者に『この話はなくなったのかと思ってた』と言われたこともあります」とほほ笑んだ。
展覧会には、朗読やスライドショーで絵本を楽しむコーナーを設置するなど、子どもも楽しめるような工夫がされている。
午前10時~午後5時(最終入場は同4時半)。火曜休館。一般700円、大学生は600円、高校生以下無料。尼崎市文化振興財団TEL06・6487・0806