目指すは憧れのタカラヅカ、たった2人も志高く 男性ファンの歌劇団、いざ初舞台へ
2022/08/21 05:30
本番に向け、通し稽古に励む山階真魚さん(手前)と橋本正人代表=アイデアニュース・カルチャーセンター
宝塚歌劇の男性ファンで結成したユニークな歌劇団「ミュージカル・バディーズ」が9月9、10、17日の3日間、兵庫県宝塚市内で初の舞台に臨む。団員はわずか2人で同市を拠点に活動し、上演する新作ミュージカルはダンスの振り付けや脚本など全てオリジナル。楠木正成の生涯をたどり、宝塚歌劇団のように華やかな舞台演出を目指し、壮大な鎌倉-南北朝時代の歴史物語を披露する。(西尾和高)
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ミュージカル・バディーズは2019年、僧侶の山階真魚(やましなまお)さん(57)=大阪市淀川区=と会社社長の橋本正人代表(60)=宝塚市=が設立した。2人は共通の知人を通じて知り合い、宝塚歌劇の鑑賞が趣味で意気投合。いずれも「ヅカ男子」を自負し、山階さんは10代の頃からミュージカルに出演した経験もあり「男性の歌劇団があってもいい」と旗揚げした。
ところが翌20年には新型コロナ感染が急拡大したため、3月に予定した初公演「春風の招待」を断念。そこで4月から通し稽古を撮影した動画をインターネットで公開し、オンラインによる旗揚げ公演とした。
その後は稽古さえできなかったが、今春ようやく活動を再開し、9~11月、宝塚、大阪、神奈川での公演を決めた。
新作「龍起伝~楠木正成と久子~」は正成と妻久子の情愛が題材。大阪府千早赤阪村で、20万人の鎌倉幕府軍と戦った正成の苦悩やその後の悲劇、播磨の武将・赤松円心との友情も取り上げる。山階さんが正成役で、橋本代表は久子と円心の二役を情熱的に演じる。
「宝塚歌劇団の好きなところを集めた」と山階さん。舞台の冒頭、宝塚歌劇団の男役トップスターが登場するように正成が軽快なメロディーに乗って姿を見せる。スポットライトを浴びて歌ったり、デュエットダンスをしたりと、宝塚歌劇のような見せ場をたくさんつくった。
橋本代表は「男性が女性の姿をして舞台に立つと笑いが起こるが、コメディーにはしない。観客を泣かせる場面を大切にし、宝塚歌劇ファンにも喜んでもらえるように演じる」と話す。
宝塚公演は9月9日午後2、5、7時と10日午後2、5時から。いずれも会場はアイデアニュース・カルチャーセンター(宝塚市平井5)。各回定員10人。17日は同7時から市立東公民館。定員140人。無料。ホームページから申し込む。橋本代表TEL0797・82・3323