切り絵で巡る兵庫の風景 農村や四季など詩情豊かに 前田尋さん、川西で作品展
2022/09/23 12:15
作品について語るきり絵作家前田尋さん=川西市下財町、川西市郷土館
神戸新聞夕刊の連載「ひょうごきり絵探訪」を担当するきり絵作家、前田尋(ひろし)さん(72)=兵庫県丹波市山南町出身、堺市在住=の作品展が、川西市郷土館(同市下財町)で開かれている。県内の農村や街の風景をとらえた連載の原画など22点を展示。和紙で彩られた詩情豊かな作品が並ぶ。
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前田さんは柏原高卒。日本のきり絵のパイオニア、加藤義明さん(故人)に入門、道を究め、現在全大阪きりえ連絡会代表を務める。作品とエッセーを紹介する「ひょうご-」は2020年10月から第4、5月曜に掲載されている(来月からは第4月曜のみ)。
その根が「木の根橋」と呼ばれる大ケヤキの紅葉(丹波市)▽赤、紫、ピンク、黄色のルピナスが咲き競う休耕田(佐用町)▽有馬温泉の足湯とくつろぐ人々(神戸市北区)-など、四季の風景をとらえたきり絵が並ぶ。複雑な陰影も魅力で、多可町・岩座(いさり)神(がみ)地区の300枚以上ある棚田を題材にした作品は、緑の早苗と山並み、民家が独特の風情を醸し出す。
前田さんは、毎回のように制作のためスケッチに出掛ける。「路地裏まで見て回り、地元の人の話を聞くと、伝えたいものに出合う」とか。「作品が、身近な所を見つめるきっかけになれば。これからも兵庫の風景を再発見していきたい」と話している。
同館では「三浦孝裕 木の抱き人形展」「林温恵(はるえ) 新聞紙面で作った貼り絵展」を同時開催。いずれも10月10日まで。入館料は一般300円(65歳以上は半額)、高校・大学生200円、小・中学生150円。月曜休館(10月10日は開館)。同館TEL072・794・3354
(網 麻子)