南海トラフ地震想定し訓練 商業施設に負傷者多数、どう救助?判断のポイント学ぶ 芦屋署
2022/10/12 05:30
負傷者の安否を確認する署員ら=芦屋署
南海トラフ地震に備え、兵庫県警芦屋署と県警災害対策課は、商業施設に取り残された人々を救助する訓練を実施した。県の最大想定によると尼崎、西宮、芦屋市では全壊が3139棟(冬の午前5時想定)に上るとされ、自衛隊や他府県の応援が見込めない中、署員らがどう対応するかを点検した。
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芦屋署が、女性署員らも含めて対応力を強化しようと企画した。県の想定では、阪神間で最大震度6強の揺れで倒壊が相次ぎ、2時間以内に最大高さ約4メートルの津波が押し寄せる。尼崎市域は約5分の1が水につかる。
訓練は、施設内でけが人が多数出たと想定し、救助の妨げになっている柱などを切断できるようチェーンソーの使い方を確認。負傷者役に安否を問いかけ、動けないと判断すると、毛布を担架の代わりにして数人で運び出した。
堂園摂子警部補は「歩ける人から誘導するなど優先順位を判断することの大切さを学べた。いざという時の対応に生かしたい」と話した。(池田大介)