医療

医療トップへ
健康トピックス
  • 印刷
夜尿症の対処法をアドバイスする吉田茂医師(左)と田村節子さん
拡大
夜尿症の対処法をアドバイスする吉田茂医師(左)と田村節子さん

 たかが「おねしょ」だが、月数回も続くと、子どもも親も心理的に大きな負担になって深刻な悩みとなる。今は「夜尿症」として治療に取り組む医療機関も増えてきた。夜尿症の啓発活動を続けている「おねしょ卒業!プロジェクト」の専門家は「一度、小児科や泌尿器科に相談してみては」とアドバイスする。

 夜尿症は小学校入学ごろになっても、月数回以上のおねしょをすることとされる。

▼患者は80万人

 医療法人葵鐘(きしょう)会の副理事長で、名古屋市のクリニックで夜尿症を専門に診ている吉田茂医師(小児科)は「当事者は本当に切実。自分が悪いわけではないのに、夜尿症の子どもは無力感や劣等感、焦燥感を持ってしまう。早く受診すれば、早く治ると言える」と話す。

 患者は5~15歳で約80万人。大体5歳で15%、10歳で5%、15歳で1%と推定されている。

 「原因は主に(1)就寝中の尿の生成が多い夜間多尿(2)就寝中のぼうこうの容量が不十分(3)尿意による覚醒ができない-の三つ。夜間多尿は、水分を取る量が多過ぎる場合と、あまり水分を取っていないが、夜間の抗利尿ホルモンの分泌不足で起こる場合が考えられる」

 尿意で覚醒ができないケースは、おねしょをしても朝まで目が覚めない場合が大部分を占めるという。

 治療は、まず寝る前2~3時間は水分を取らないなどの生活指導から始まるが、これで2~3割は治るとされる。

 「このほか、抗利尿ホルモン薬などによる薬物治療、カウンセリング、おねしょを感知して振動する夜尿アラームを利用する方法などがある。治療すると1年で半分ぐらいの子は治る」

▼誰も悪くない

 東京成徳大の心理学教授で学校心理士の田村節子さんは学校相談で夜尿症に出合い、2005年からは夜尿症専門のカウンセリングをしている。

 「夜尿症では親子の悩みは非常に深刻。例えば、母親が妹や弟と比べて叱ったり、本人はその弟妹からばかにされたりする。母親も夫や祖母から責められる。このように親と子の悩みはリンクしており、嫌悪感や自責感、無力感などが悪循環する。子どもも母親も悪くない。正しい知識を持つことが大事」と田村さんは助言する。

    ◇     ◇

 吉田茂医師と田村節子さんによるトークセッションは次の通り。

 吉田「夜尿症で受診する人はまだ少ないが、当事者の深刻さからすると、医療機関は放置してはいけないと思う」

 田村「夜尿症は学校生活の質を著しく低下させる。子どもは自尊心の低下で自信が持てなくなる。家庭の中でうまくいかず、親子のコミュニケーションもうまくいかないと学校生活にも影響する。治療は長くなることが多いが、早く受診することが大事」

 吉田「夜尿症は『放っておけば治る』というのは確かにうそではない。知らない間に治るが、つらい記憶だけが残る。受診して治すと『自分で治した』と思うし『自分で治した』と言える」

 田村「学校側の理解は進んでいない。夜尿症は家庭の話と思っている。保護者も先生も言いづらいということもある。学校生活を豊かにするためにも恥ずかしがらずに専門医を受診してほしい」

健康トピックスの新着写真
健康トピックスの最新
もっと見る

天気(7月19日)

  • 27℃
  • 24℃
  • 80%

  • 26℃
  • 23℃
  • 80%

  • 28℃
  • 24℃
  • 80%

  • 26℃
  • 23℃
  • 90%

お知らせ