名作「細雪」の舞台をライトアップ 旧谷崎邸「倚松庵」で夕涼みイベント 16、17日
2022/08/12 18:00
過去に開催された納涼夕涼み会で、夕暮れ時に明かりがともされる倚松庵(2017年8月、神戸市提供)
文豪の谷崎潤一郎(1886~1965年)が50代の頃に7年間暮らし、代表作「細雪(ささめゆき)」を執筆した場所として知られる旧邸「倚松庵(いしょうあん)」(神戸市東灘区住吉東町1)で16、17日の2日間、夕暮れ時のライトアップイベント「納涼夕涼み」が開かれる。
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通常は午後4時までの開館時間を午後7時まで延長。阪神間モダニズムの萌芽(ほうが)を感じさせる近代和風建築の庭園や応接間を、柔らかな光が照らす。
倚松庵は木造2階建て延べ約150平方メートルの数寄屋建築。「松によりかかる住まい」との意味を込め、住吉川沿いの松並木と松子夫人にちなんで谷崎が名付けたとされる。
谷崎は1936~43年に倚松庵に居住。通算40回以上も引っ越した生涯で、長く腰を据えた家だった。「源氏物語」の現代語訳を完成させた時期で、松子の4姉妹をモデルとした「細雪」の舞台にもなった。
元は現在地より少し南にあったが、六甲ライナーの整備に伴って所有者が市に寄贈し、90年に移築。この際に著書や参考文献を集めた「谷崎文庫」を併設し、市民や観光客に谷崎文学に親しんでもらおうと毎週土日の一般開放を始めた。
納涼夕涼みのイベントは神戸市が毎年企画。庭園は庭園灯で、ステンドグラスやマントルピースをしつらえた板張りの応接間は間接照明でそれぞれ照らし、普段とは趣の異なる景色を演出する。このイベント限定のオリジナルうちわも無料で配る。
入館無料。事前予約も不要。問い合わせは神戸市総合コールセンター(TEL0570・083330)まで。(井上太郎)
→「東灘区のページ」(https://www.kobe-np.co.jp/news/higashinada/)
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