身近に本格的クラシックを 欧州で活躍のピアニスト小菅優さんが登場 27日、うはらホール

2022/08/22 17:01

ピアニスト小菅優さん(©Marco Borggreve)

 ドイツを拠点とするピアニスト小菅優さんの公演が27日、うはらホール(神戸市東灘区、同区文化センター)である。神戸市民文化振興財団が、世界レベルの音楽を市民の身近に伝えたいと企画したシリーズの第1弾で、区のホールでは貴重な大型公演となる。神戸市室内管弦楽団との協演で、モーツァルトの名曲などを披露する。  関連ニュース 歌は生きがい声合わせ 西脇の合唱グループ「しばざくら」23日公演 沖縄戦で殉職、官選知事・島田叡の追悼曲「憶」 最期の地で披露 尼崎のピアニストと歌手の夫妻 ハチャトリアンコンクール日本人初V バイオリニスト関朋岳が神戸来演 12月1日

 小菅さんは1983年、東京生まれ。93年にヨーロッパへ移住し、9歳からリサイタルやオーケストラとの共演を重ね、評価を高めた。2005年にはカーネギーホールでリサイタルを開催。これまでにオーストリア、フランス、オランダなどで公演してきた。
 繊細さとダイナミックな演奏に加え、気さくな人柄で知られ、関西でも演奏してきた。うはらホール公演は同市民文化振興財団の演奏担当部長の森岡めぐみさんが企画。西宮市出身で、昨年6月まで住友生命いずみホール(大阪市中央区)で広報を歴任してきた。小菅さんとは15年以上の交流がある。
 森岡さんは同財団に移籍後、神戸文化ホールを中心に多彩な企画を立案。その中で、市内の各区にあるホールに着目した。同市はうはらホール(定員650人)をはじめ、北区の「すずらんホール」(同504人)、長田区の「ピフレホール」(同414人)などの中規模ホールを運営。西区の西神中央駅前にも新ホールの開設を予定している。
 森岡さんは「クラシックファンには高齢者が多く、自宅に近い場所の方が足を運びやすい」と考え、神戸市室内管弦楽団との協演を軸にした新企画「セレクション」を打ち出した。
 小管さんの公演は夏休みの子ども向けで、曲目はモーツァルトのピアノ協奏曲13番、メンデルスゾーンのピアノ協奏曲。会場と直接言葉を交わす時間も設ける。森岡さんは「ホールは聴衆とアーティストをつなぐ場。各区のホールは利便性がよく、客席と舞台が近いので、音楽を身近に感じてもらえる」と狙いを話す。
 27日午後3時開演。2500円、25歳以下は千円。東灘区文化センターTEL078・822・8333。
 来年3月には第2弾として作曲家の川島素晴さんをピフレホールに招いた公演を企画。各区での公演を強化していく方針。(津谷治英)
ピアニストの小菅優さん((C)Marco Borggreve)
小菅優さんの公演実現に尽力した神戸市民文化振興財団の森岡めぐみ演奏担当部長=神戸市中央区橘通3

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