播磨灘に浮かぶ兵庫県姫路市の家島諸島の小中学校4校で5日、春の人事異動に伴い、学校を離れる教職員の離任式があった。真浦港では家島小、中学校の教職員7人が、児童や生徒、保護者に見送られて島を後にした。
家島本島にある家島小の離任式には、児童71人に加え、卒業したばかりの6年生16人も駆け付けた。離任する教諭2人は感謝の言葉と花束を受け、児童らが手をつないでつくったアーチをくぐった。
定期船が出港する真浦港の桟橋は、子どもや住民らで埋まった。カラフルなテープが潮風に揺れる中、汽笛が鳴り、船がゆっくり岸壁を離れる。「先生ありがとう」「元気でね」。言葉が飛び交い、子どもたちは懸命に手を振り続けた。
同校で7年間勤務した松岡恵代(えみよ)さん(34)は目を真っ赤にして「人懐っこい児童ばかり。名前の通り、この島が家になった気がしました」と、島での日々を振り返った。
坊勢島の坊勢小、中学校でも教職員8人が教え子との別れを惜しんだ。(山崎 竜)
