姫路

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旧制姫路中学校の校歌を歌う61期生=姫路市西二階町
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旧制姫路中学校の校歌を歌う61期生=姫路市西二階町
校歌に記された校章。曲がった部分は「誘惑や困難に負けず、紆余(うよ)曲折を経て安定した様子」を意味するという。現在は市立広嶺中学校の校章として受け継がれている
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校歌に記された校章。曲がった部分は「誘惑や困難に負けず、紆余(うよ)曲折を経て安定した様子」を意味するという。現在は市立広嶺中学校の校章として受け継がれている

 「あのときの悔しさが、私らの団結の根っこにあるんですわ」。旧制姫路中学校61期生の同窓会「まがり会」が結成から18年目を迎え、今も健在だ。メンバーは84~85歳の男性ばかり約20人。一夜、集まりに同席させてもらい、今も続く「団結」の理由を聞いた。(木村信行)

 19日午後5時半。兵庫県姫路市西二階町の「鶴美寿し」に男たちが集まってきた。元社長や元公務員など経歴はさまざまだ。

 「まがり会」。旧制姫路中学の校章は「中」の文字の「|」の下部がコの字に曲がり、「曲がり中」の愛称で親しまれていたことから、この名を付けた。

 61期生が入学したのは終戦前の1945年4月。「お国のために生きることを求められた時代。男子校の曲がり中は軍事教練が厳しく、帽子に付いた校章は小学生の憧れだった」と、世話役の谷川允克さん(84)=同市神子岡前=は振り返った。

 木製の模造銃で突撃の練習をしたり、教師に竹でたたかれたり、「ほんまに厳しかったなぁ」。ビールや日本酒を酌み交わし、思い出話に花が咲く。

 48年、戦後の学制改革で姫路中と姫路高等女学校はそれぞれ男女共学となり、姫路中は姫路西高、女学校は姫路東高として再編された。姫路中の男子生徒の半分は旧制女学校に通うことになった。

 男女席を同じくせず、と教えられた世代。運命を分けたのは、じゃんけんだった。

 「ある日、先生に『隣の席同士でじゃんけんせぇ』と言われ、一発勝負。私ら全員、負け組なんです」

 「男女共学が恥ずかしくて、女学校に養子になんか行けるか~って抵抗したもんや」

 そうやそうや!と酒席が華やぐ。くじ引きで決めたクラスもあったという。

 姫路東高のOB会長を長く務めた中島利一郎さん(85)=同市飾磨区天神町=は「だから西高には絶対に負けたくなかったし、61期生は曲がり中への思い入れが格別に強い」と話す。

 再編間もない姫路東高ではフォークダンスが授業に導入され、男女の距離が縮まった。「一から校風をつくる喜びがあった。自由でおおらかな高校になった」と、当時生徒会長だった平井徹哉さん(85)=同市広畑区才。卒業後も「東高有志会」として長く交流が続いたそうだ。

 だが、「やっぱり何でも言い合えるのは男同士」とメンバーら。酒飲みばかりが集まって99年、まがり会を結成した。千葉県から駆け付けた澤田浩禧さん(84)は「いくつになっても、血湧き肉躍る会です」。隔月開催の同窓会は計100回を優に超えた。

 宴たけなわ、会も終盤。61期生は立ち上がると、作詞・北原白秋、作曲・山田耕筰の姫中校歌を合唱し、手を振って応援歌を歌った。午後8時前、散会。

 「よし、歌いに行こ」。背筋をぴんと伸ばしたまま、米寿(88歳)が近づくメンバーの多くは2次会に消えていった。

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