姫路

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完成した作品集を前に往時を振り返る兜坂香月さん=姫路市内
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完成した作品集を前に往時を振り返る兜坂香月さん=姫路市内

 兵庫県姫路市在住の書家兜坂香月(とさかこうげつ)さん(95)が、10代のころから書きためた短歌などを収めた作品集「遺(のこ)したい、私の和歌 俳句 詩」を出版した。「私の人生の集大成。好きな作品を厳選した」と話す。

 兜坂さんは14歳の時に書道を始め、短歌や俳句も同じころに始めた。書と同様、特定の師匠にはつかなかったが、ラジオの短歌・俳句番組で入選したこともある。

 作品集には、短歌104首、俳句10句、詩9編を収録。深く心に刻まれた出来事や故郷に対する思い、社会事象に対する悲しみや怒りが込められている。

 戦時中、旧満州への出征が決まり、生きて帰らない覚悟で詠んだ歌も。

 故郷よ 母よさらばと 打ちならす 旗は祖国の 見えずなるまで

 戦後は旧国鉄に勤め、文芸誌発行など文化活動に打ち込んだ。日本書道院展などで受賞を重ねた後、書道界とは距離を置いたが、毎日筆を握り精進した。

 さまざまな文芸に通じた「文人」を自負し、書の題材には自作を選ぶ。「他人の言葉を書にするのは“習字”にすぎない」との信念からだ。思うがままに走り続けた人生。近年の歌には満足感がにじむ。

 もう一度 この世に生れ 来りなば 再び同じ 道をあゆまん

 書18点も合わせて掲載。また、長年収集してきた古美術品などの写真とエッセーも収めている。

 兜坂さんは「書家は一生で佳作を10点遺せればいいという。後世の目にとまればうれしい」と話す。

 214ページ、200部を出版。販売はしないが、姫路市などの図書館に寄贈する予定。(田中伸明)

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