姫路

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時実新子さんの関連資料が並んだ会場=姫路市山野井町、姫路文学館
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時実新子さんの関連資料が並んだ会場=姫路市山野井町、姫路文学館
姫路への思いをつづった生原稿
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姫路への思いをつづった生原稿
月刊誌「川柳大学」の創刊記念句会での時実さん=1996年2月、神戸市内(姫路文学館提供)
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月刊誌「川柳大学」の創刊記念句会での時実さん=1996年2月、神戸市内(姫路文学館提供)

 情念をリアルに表現した作品で知られる姫路ゆかりの川柳作家、時実新子さん(1929~2007年)の生涯をたどる企画展が9日、兵庫県姫路市山野井町の姫路文学館で始まった。没後10年に合わせた展示で、姫路では初めて。川柳と出合った姫路からの軌跡や、2人の子どもの母としての姿、2人目の夫への焦がれる思いなど、素顔を伝える約200点の手紙や生原稿、写真が並ぶ。

 時実さんは岡山市出身。岡山県内の高等女学校を卒業し、終戦直後、17歳で見合い結婚。文具店を営む姫路の商家に嫁いだ。

 男女2児の母親となり、25歳の時、神戸新聞への投句を機に川柳を始め、地元の句会に参加するようになった。

 子を寝かせやっと私の私なり

 27歳のころにこんな句を詠んだ。当初は良妻賢母のイメージが強い作品が多かったが、才能を認めた先輩作家らが「もっと自由に伸びていい」と激励。次第に本音をにじませた句が増えた。30歳の句。

 わたくしに続けと不貞ラッパ吹く

 1975年、姫路城に近い鍵町の自宅を編集拠点に、46歳で全国の100人近い仲間と季刊誌「川柳展望」を創刊。77年、大阪府茨木市に拠点を移し、その後、神戸市で暮らした。

 姫路を離れた後に知り合い、時実さんの作品を「君の川柳は文学だ」と評価した編集者の大野進さんと、夫が死去した後の87年に再婚。最初の結婚を「意に沿わなかった」と詠んだ「有夫恋」を出版し、川柳界に大きな衝撃を与えた。

 企画展は、こうした足跡を丁寧に追う。

 岡山での女学校時代や、川柳仲間と集う様子を写真で紹介。初入選の句が本名の「時実恵美子」で掲載された神戸新聞の紙面や、34歳の時に500冊を自費出版し、幻の句集と呼ばれる「新子」の原本、阪神・淡路大震災への思いを記した生原稿もある。

 特に、姫路時代は「鍵町40番地」と題し、時実さんが暮らした当時の町の様子を写真や絵で振り返りながら、活動を掘り起こした。

 片方が生きているから生きる靴

 大野さんと寄り添った晩年に詠んだ句や、2人で気持ちを伝え合った直筆の「交換句」も並ぶ。

 竹廣裕子学芸員は「姫路から新子さんが全国にはばたいたことを広く知ってもらえるのでは」と話す。

 10月15日まで。一般300円、高校・大学生200円。小中学生100円。午前10時~午後5時。月曜休み(祝日の場合は翌日休み)。姫路文学館TEL079・293・8228

(宮本万里子)

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