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「島の人にどんどん話し掛けていきたい」と話す福井梨絵さん=姫路市家島町坊勢
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「島の人にどんどん話し掛けていきたい」と話す福井梨絵さん=姫路市家島町坊勢

 都民から島民へ-。東京のアパレルショップで働いていた女性が10月、兵庫県姫路市家島町の坊勢島に「地域おこし協力隊」として赴任した。きっかけは、旅行で訪れた長崎県の壱岐島で活動していた元協力隊の女性との出会い。「仕事ばかりの自分よりも輝いて見えた」。15年近いキャリアを積んだ仕事からの転身。期待と不安を抱きながら、一歩を踏み出した。(小林良多)

 地域おこし協力隊は、都市部から地方に移り住み、過疎地の活性化に協力する総務省の制度。2016年度は全国886地域で約4000人が活動した。姫路市内では家島で任期途中の男性に続き2人目。

 坊勢島に来たのは福井梨絵さん(38)。大阪府八尾市出身。短大で栄養士を目指していたが、中退してアパレル販売の世界に入った。20代後半には大阪や東京都心で店長を任され、仕事一色の生活を送った。

 1カ月前の職場は東京都渋谷区の表参道。外国人モデルらが愛用するブランドの国内旗艦店を任されていた。責任が重い仕事をこなす一方、たまの休日はプライベートな時間を持て余した。

 「モノとサービスがあふれる街にいると、私は自分から求めなくなった。のめり込んだ趣味もなくて、休日は過ごし方に困るぐらい」

 今年2月、そんな状況を変えたくて、旅に出た。訪れたのは九州北方の玄界灘に浮かぶ長崎県の壱岐島。Iターンで海女になった女性が経営するゲストハウスに泊まった。

 女性は協力隊の制度を利用して移住し、現地の男性と結婚。滞在は一晩だったが、釣りたての魚に舌鼓を打ち、忘れがたい感動が体に残った。

 「仕事に励めば地域の人が信頼してくれる。仕事と暮らしが一体になり、生活全体が充実すると聞いた。地方暮らしは経験がないけれど、仕事ばかりの自分と比べてうらやましかった」という。

 協力隊の制度に関心を持ち、西日本に絞って募集を調べた。壱岐での穏やかな生活が印象に残り、目に留まったのが坊勢島。応募したのは締めきり間近の3月末だった。

 坊勢島の印象は「離島というほど不便じゃない」。姫路港から船で30分の距離だが、自然や海の幸は驚くほど豊か。一方、インターネットなどに観光情報は乏しく、「島でどう過ごせるのかイメージできない」と感じている。

 福井さんはまず島の日常を学んだ上で、島外の人が立ち寄れる飲食店を開く構想を温める。観光客を引きつける島のスイーツ開発にも挑戦するつもりだ。

 「気軽に日帰り旅行に来てもらえる環境を整えれば、島の魅力は伝わるはず。島と同化するのではなく、よそ者の自分にできることを考えたい」と話す。

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