姫路

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ササユリの球根が掘り返された場所を示す筒井導男さん。株のあった場所には目印となる棒が残っていた=姫路市家島町宮
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ササユリの球根が掘り返された場所を示す筒井導男さん。株のあった場所には目印となる棒が残っていた=姫路市家島町宮
今春、見事に咲いたササユリの群生。住民が守ってきた=姫路市家島町宮
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今春、見事に咲いたササユリの群生。住民が守ってきた=姫路市家島町宮

 兵庫県姫路市家島町の家島本島で、15年にわたる住民グループの保護活動により、花を咲かせるようになったササユリの群生が今秋、根こそぎ姿を消した。イノシシなどによる獣害か、それとも盗まれたのか。手掛かりはなく、謎が深まっている。長年、手塩にかけて100株以上に増やしてきた住民らの落胆は大きい。(小林良多)

 「ここにあった1本は私の肩ぐらいまであって、花を6輪咲かせた。それは堂々たるものでした」

 「家島のささゆりを守り育てる会」の筒井導男会長(78)は、島内の山あいに案内してくれた。斜面に広がる2500平方メートルの自生地には、栽培履歴を書いた看板だけが残り、ササユリの姿はない。

 10月末、筒井さんは自生地が掘り返され、ササユリが球根ごとなくなっているのを見つけた。今春、115株が花を咲かせていたが、その8割近くが被害に遭ったとみられる。同会メンバーが現地を訪れたのは6月末が最後だった。

 掘った穴や周辺の草木は荒らされておらず、メンバーらは転売目的の盗掘被害を疑った。自生地は普段、誰でも立ち入れる。1株ずつ目印を付けており、花のない季節も判別できる状態だったという。

 ただ、家島では近年、海を渡ったとみられるイノシシが出没しており、獣害の可能性も捨てきれない。ササユリの獣害は全国で発生しており、切り花や球根を出荷している和歌山県日高川町では、公園に植えた約2千株の3~5割が掘り返され、イノシシの可能性があるという。

 被害を受けて同会は岐路に立たされている。旧家島町の町花を復活するため2002年に発足したが、メンバーは高齢化した。ササユリは球根から育てる場合、花が咲くまでに最低でも7年ほどかかる。種からの栽培はさらに難しく、10年近い歳月を要する。

 「夏に脚の手術を受けたので見に来ることができなかった。それが心残りで…。どれだけの球根が地中に残っているのか、春に分かる。希望はなくさずにいたい」と筒井さん。寂しくなった斜面を見つめた。

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