新春恒例の「姫路市消防出初め式」が7日、兵庫県姫路市本町のシロトピア記念公園であった。日ごろから訓練を重ねる消防職員300人と消防団員千人が集結し、防災力のさらなる向上を誓った。
会場には消防団72分団のポンプ車などがずらりと並んだ。石見利勝市長は、年始から市内で住宅火災が相次いだことに触れ、「市民の協力を得ながら防火を強化したい」とあいさつ。昨春入庁した中谷祐利消防士(23)は「安全安心に暮らせるまちを目指し、使命を全うします」と誓った。
演技の部では、保育園児の演奏や、消防局救助隊による地震被害を想定した訓練があった。
高さ5メートルの高所で行う「はしご乗り」では若手消防団員が「しゃちほこ」や「背亀」など、華麗な7種の技を披露。家島町消防団宮分団の新井将光さん(25)は「はしごを支える仲間がいるからいい演技ができる。消防の任務も同じように団結が大切」と話した。
ハイライトの一斉放水では、飾磨消防団の女性団員3人も加わり、さまざまな放水法で水の動きに変化をつけた。日本触媒姫路製造所の爆発事故の教訓を受けて導入された化学火災に強い防火衣もお披露目した。
2歳の長男と初めて訪れた同市北条口の女性(37)は「大勢の消防団員が活動してくれていることを改めて知った。安全は人のつながりがあってこそ守れると感じた」と話した。この日は太子町でも出初め式があった。(小林良多)
