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1年間の感謝を込め、タクトを振るベネリニ・ラヌム・クラッシーデヴィさん(右)=姫路市西駅前町
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1年間の感謝を込め、タクトを振るベネリニ・ラヌム・クラッシーデヴィさん(右)=姫路市西駅前町

 創部から丸2年を迎えた兵庫県播磨高校(兵庫県姫路市豊沢町)のギター・マンドリン部が1日、同市西駅前町のキャスパホールで初めての定期演奏会を開いた。部員18人が出演し、インドネシア人留学生の3年、ベネリニ・ラヌム・クラッシーデヴィさん(17)が指揮者を務めた。間もなく帰国するラヌムさんにとって最後の演奏会。「他の部員に支えられ、人間として大きく成長できた」と感謝のタクトを振った。(伊田雄馬)

 同部は2016年4月、県立高校で指導経験を持つ西村彰範教諭が呼びかけ、当時の新入生8人で発足した。初心者の部員がほとんどを占める中、「全国大会出場」を目標に練習を重ねてきた。

 場数を踏んで実力を付けるため、17年度は複数の音楽祭やコンクールに出演。中でも部員だけで演奏する定期演奏会の実施はハードルが高く、西村教諭は約1年前から会場を確保して部員の目標としてきた。

 ラヌムさんはインドネシアのジャワ島出身で、小さい頃から音楽好き。ギターやマンドリンの経験はなかったが、「新しいことにチャレンジしたい」と昨年3月末の来日後、すぐに同部へ入部した。

 来日してすぐは日本語に不慣れで、同級生とのコミュニケーションに苦戦したが、西村教諭は「素直な性格で、物覚えが良い」と7月にラヌムさんを指揮者に指名した。

 音の強弱やテンポの維持など、指揮者の振るタクトに演奏の完成度は大きく左右される。「間違ったら全部止まっちゃう」(ラヌムさん)というプレッシャーと戦い、日々の練習と向き合ってきた。

 迎えた本番では大勢の生徒や保護者らが集まり、部員が熱のこもった演奏を披露した。部長の3年田中愛乃さん(17)は「緊張でミスはあったが、ベストに近い演奏」と胸を張った。

 ラヌムさんは12日に帰国する予定といい、舞台上で別れの花束も手渡された。演奏会終了後、「楽しかったけど、さみしい」とぽつり。「この1年間で人の気持ちを考えられるようになった。母国でも経験を生かしたい」。すがすがしい表情で語った。

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