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写真【5】ようやく白み始めた空の下で試合開始。寝ぐせのままの選手の姿は早朝ならでは=姫路市花田町加納原田
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写真【5】ようやく白み始めた空の下で試合開始。寝ぐせのままの選手の姿は早朝ならでは=姫路市花田町加納原田
写真【8】 早朝野球を続ける内川さん親子。試合後にその日のプレーを振り返る=姫路市花田町加納原田
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写真【8】 早朝野球を続ける内川さん親子。試合後にその日のプレーを振り返る=姫路市花田町加納原田
神戸新聞NEXT
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 プロ野球の2018年シーズンが開幕する4日前の3月26日、兵庫県姫路市花田町加納原田の球技スポーツセンター野球場などで、47年目を迎える姫路早朝野球連盟の今季リーグ戦が静かに幕を開けた。試合開始は午前6時。夜明け前に続々と姿を現した男たちは、試合が終わると急いで勤務先に向かう。彼らはなぜ、眠い目をこすってまでグラウンドに立ち続けるのか。開幕戦に密着し、その群像を取材した。(記事・谷川直生、写真・小林良多)

 午前4時。内川慎一さん(45)と大介さん(19)の親子がごそごそと起き出す。できるだけ音は立てない。家族はまだ深い眠りの中だからだ。無言でユニホームに袖を通す。用意を終えた4時半、目が赤い。明らかに無理をしている。「しんどいですよ」と言いながら道具をそっと積み込み、いざグラウンドへ=写真【1】。

 2人は同連盟で昨季準優勝の強豪チーム「停主」に所属する。慎一さんは早朝野球歴約20年で背番号は「6」。かつては投手や三塁手として鳴らし、現在は盛り上げ役だ。一方、昨季から加入した背番号「20」の大介さんは、右翼手のレギュラーとして活躍する。

 同5時。同球場に続々と選手らが姿を見せる。辺りはまだまだ真っ暗だ。「この前買ったバットめっちゃ飛ぶで!」「今年は阪神が優勝やな」。朝食がてらの野球談義に花が咲く=写真【2】。「おーい。あれ、あいつどこ行った。さっきおらんかった?」「まだ来てませんよー」。どうやら顔は見えていない。

 一切の照明設備がないグラウンドでは、審判部長の桑原堅さん(69)がヘッドライト一つでこつこつと準備を進める=写真【3】。「ファウルライン、明るくなってから見てみ。絶対真っすぐやから」。得意げに話す。

 徐々に明るくなり、選手らは体を動かし始める=写真【4】。体操、柔軟、ランニング…。けがをすると仕事に響くため、ウオーミングアップはかなり念入りだ。開始直前になっても、ボールに触らないので聞いてみた。「まだキャッチボールしないんですか?」「まだ顔に当たる」。なるほど。

 同6時、いよいよプレイボール=写真【5】。本塁から外野ポールまで真っすぐに白線が伸びている。この日の対戦相手は昨季優勝の「アローズ」。いきなりの頂上対決だ。試合が始まると、選手の表情は真剣そのもの。「ミスはええから思い切ってやろう」。監督が選手の背中をたたく。

 試合はハイレベルな戦い。130キロは出ているであろう速球に驚いていると、打者も平然と打ち返す。停主は初回にヒットを重ね、3点を先制した。ようやく朝日が昇る=写真【6】。アローズも反撃を見せ、白熱の好ゲームに。お互いピンチを招きながらも一つ一つアウトを重ねた=写真【7】。

 仕事を忘れ、思わず見入っていた。あっという間に時間は過ぎ、気付けば同7時。選手らがそわそわし始めた。始業時間が近づいているのだ。

 試合は停主が4対3で勝利したが、接戦を制した余韻などない。試合終了から5分後、ほとんどの選手は職場に向かって姿を消していた。大慌てで作業着に着替えていた設備会社員の川村勝也さん(44)。「みんなでワーワー言いながら野球するのは最高に楽しい。今から切り替えて、道路掘ってくるわ」とさっそうと去って行った。

 内川さん親子はともに姫路市職員=写真【8】。慎一さんは「小学生の頃から野球ばっかり。野球のない生活は想像できない」と話す。大学生もいれば会社員や公務員、飲食店で働く人もいる。昼間はばらばらだが、そろいの格好で白球を追う。野球を活力に、男たちは今日もこつこつ働いている。

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