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日常を等身大で伝える「ヘラヘラつうしん」をつづり続ける岩田健三郎さん=姫路市西中島、川のほとりの美術館
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日常を等身大で伝える「ヘラヘラつうしん」をつづり続ける岩田健三郎さん=姫路市西中島、川のほとりの美術館

 播磨を代表する版画家岩田健三郎さん(70)=兵庫県姫路市保城=が、温かみのある絵と文章で日常の風景をつづり、ほぼ毎週発行してきた冊子「ヘラヘラつうしん」が間もなく160号を迎える。4年前、「老い」を感じ、「どんな毎日か記録したろ」と始めた。「『ヘラヘラ』は縦に書くと、漢字の『今今』。捉えどころのない『今』を重ね、生きる毎日は面白い」ときょうも筆を走らせる。

 姫路市で生まれ育った岩田さんは、大阪市立美術館の美術研究所で絵や彫刻を学び、各地で個展や教室を開いている。姫路市の小学生らが使う「ドリル」の表紙を手掛けるなど、地域の盛り上げにも関わってきた。

 「ヘラヘラ-」は約40年前、版画の余白に遊び心で描いた絵と言葉が原型だ。切り取って作品に仕上げ、知人に贈ると喜ばれた。67歳の時、ふと「来年はサクラを見られるのか」とよぎった。「忙しかった若い頃と違い、何もしなくても月日が過ぎる。そんな老いとは何かを書き残そう」と思い立った。

 兵庫県は日本一ため池が多い。38000あるそうです。一日に一つの池を訪ねたとして…何年かかるの? わたしにはムリ

 家の中でトイレに行こうとしたら、行った先にトイレはなくて庭でした

 老いを感じた瞬間をストレートに告白した。ときには人生の先輩から届いた言葉をかみしめた。

 「自分を中心に世の中を回そうとすると無理が出てきて孤立しています」…わたしです。「人と同じように楽しめる人間に」…心掛けたいと思いました

 「今」を独特の感性で見詰めたことも。

 フェイスブックやツイッター、ラインという言葉の何のどこが違うのかも分らない。「それがなくては友だちがいなくなる」と聞く。つまりはいまのわたしのようになる

 商店街はがらんとしていますが、病院は人でごった返しています

 1週間分の日記を1冊にまとめる。訪ねた店や人、食べた物などを描き、歩いた町の自作の地図や写真も添えて多彩に発信する。「70歳まで」と始めたが、昨年8月に誕生日を迎えて以降も発行を続けている。「深く考えず、説教にならず。これからもけったいに生きる毎日を伝えたい」

 冊子は約20センチ四方で、30~40ページ。400円。(宮本万里子)

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