姫路

  • 印刷
4月に帰郷した際、支援者と交流する錣炎奨(右から2人目)=神河町上岩
拡大
4月に帰郷した際、支援者と交流する錣炎奨(右から2人目)=神河町上岩

 神河町出身で初の力士の錣炎奨(てつびしょう=20)=本名・西上秋祐(にしがみ・あきひろ)さん=を支援する輪が広がっている。競技未経験のまま高校卒業後に角界入りし、序二段103枚目で戦った3月場所を4勝3敗で勝ち越した。13日に始まった5月場所は同74枚目で臨み、一歩ずつ成長を見せる。「活躍して神河を有名にしたい」と地元への思いを胸に前を見据える。

 錣炎奨は、神河中で陸上部、香寺高でウエートリフティング部に所属。高校時代に観戦した巡業で錣山(しころやま)親方(元関脇・寺尾)と出合って相撲の世界に誘われ、大学進学を迷った末、未経験で門をたたいた。2016年3月に「西上」の名で初土俵を踏み、同9月場所から親方にちなんだ「寺尾若」のしこ名で戦った。

 男手がない家庭で、母富子さん(49)と祖母一子さん(77)の2人は当初、「支えたいけど方法が分からない」と戸惑った。富子さんが小中学校時代の友人の浦上健作さん(48)に相談し、浦上さんら有志3人が同11月に「応援する会」を立ち上げた。

 同会は勝敗や動画をインターネットの交流サイト・フェイスブックで発信。会員は約60人に増え、3月に錣炎奨が帰省した際は約30人が集まってちゃんこ鍋を囲んだ。幼いころにマムシにかまれて大騒ぎになったことがあり、地元では長らく「かまれた子」で有名だったが、この2年で「神河初の力士」としての知名度がぐっと上がった。

 今年の5月場所から錣炎奨に改名。175センチ、100キロ強と小兵ながらひるまず頭から立ち合う思い切りの良さが武器だ。幕内への長い道のりも「三段目で雪駄がはける。十両になるとはかまをはく。付け人もつく。(ゲームの)ドラゴンクエストと思って進む」。

 実績を積んできたエリートがひしめく世界で「才能に努力が勝る瞬間を目指すのが楽しい」と意気込む青年に、県内最少人口で過疎化に立ち向かう神河町と重ねて応援する住民もいる。

 4月にも地元に帰郷。養蜂業の男性(67)が「なかなか経験できない世界を楽しんでくれたら十分。期待を背負い過ぎんように」とねぎらうと、錣炎奨は「家族や地域に恩返しする手段が相撲。重圧にはならない」と応じた。「もっと知られるように強くなる」。地元の人々に温かく背中を押されながら活躍を誓う。(井上太郎)

姫路の最新
もっと見る

天気(5月26日)

  • 28℃
  • 20℃
  • 0%

  • 29℃
  • 14℃
  • 0%

  • 29℃
  • 19℃
  • 0%

  • 32℃
  • 17℃
  • 0%

お知らせ