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崖にせり出した幹から天に伸びる「天狗のとまり木」=神河町長谷
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崖にせり出した幹から天に伸びる「天狗のとまり木」=神河町長谷
看板設置や山道整備などを進める中島寛治さん=神河町長谷
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看板設置や山道整備などを進める中島寛治さん=神河町長谷
落差約30メートルの「足尾の滝」。画面右上にあるのが「天狗のとまり木」=神河町長谷
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落差約30メートルの「足尾の滝」。画面右上にあるのが「天狗のとまり木」=神河町長谷
神戸新聞NEXT
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 兵庫県神河町長谷の山奥、断崖絶壁に生える樹齢千年のヒノキが、急速な過疎化に悩む地域に、希望の薄明かりを注いでいる。落差約30メートルの「足尾の滝」の落ち口。まるで空中から生えたかのように、崖に2メートルほどせり出した幹から周囲4・2メートル、樹高25メートルの巨木が天に伸びる。かつては「天狗のとまり木」と呼ばれたが、地元でも忘れられた存在だったこの大樹を観光名所に育てようと、住民有志が山道を整えるなど汗を流している。(井上太郎)

 ふもとの県道から林道や山道を歩くこと45分。足尾の滝の断崖絶壁を見上げた先に、天狗のとまり木があった。滝つぼから見ると普通の木だが、住民が整えた遊歩道をさらに15分登って近づくと、岩場に張り巡らせた根でしがみついているような力強さがある。

 2015年3月、この木を「再発見」した長谷・本村区の区長、中島寛治さん(73)は「何という生命力だ」と感嘆した。樹木医に調べてもらうと、推定樹齢が千年以上だと判明。「最高の資源」。中島さんらの眼光が鋭く光った。

 昨年度、約100万円かけて遊歩道を整備。急斜面の道なき道をはうように滝の上へ向かうという、地元にとっても登山者にとっても望ましくない無用なアドベンチャーを、回避できるようになった。木を保護するため幹の前に丸太で8畳ほどの舞台を組み、観光客が根を踏まないようにした。写真付きの案内板も3カ所に設置した。

 また中島さんは、3代前の区長の「悪いことしたら天狗のとまり木にくくりつけると親に叱られた」という記憶などを頼りに言い伝えを聞き回り、文献を集めた。聖徳太子の息子「山背王」が地元に逃げ延びた伝承にちなみ、王を守るために来た天狗が地域の守り神として尽くしている、という物語もこしらえた。

 急速な少子高齢化に頭を抱える長谷地区も「昔は国体会場になるほどの大きなプールやマスが釣れる池があり、団体バスが10台も来る一大レジャーゾーンやった」と懐かしむ中島さん。小さな町にも目に見えるにぎわいが必要だと、広域からの観光誘致に頭をひねり「この木は自然の産物で、千年の歴史もある。あるものを生かし、正攻法で取り組みたい」と話した。

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