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タガメの保全活動に尽力し、環境大臣表彰を受けた市川憲平さん=姫路市林田町大堤
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タガメの保全活動に尽力し、環境大臣表彰を受けた市川憲平さん=姫路市林田町大堤

 全国の多くの都道府県で絶滅危惧種に指定されているタガメの保全活動に尽力したとして、姫路市立水族館の前館長市川憲平さん(68)=同市飾西=が、2018年度の「『みどりの日』自然環境功労者環境大臣表彰」を受けた。同市内からほとんど姿を消していたタガメを、15年かけてビオトープに定着させたことが評価された。市川さんは「たくさんの協力のおかげで、タガメにとってこれ以上ない環境ができた」と喜ぶ。

 環境省は1999年度から、国民の環境保護意識を深めることを目的に、自然環境の保全に貢献した個人、団体をたたえている。自然ふれあいや調査・学術研究など4部門があり、市川さんは保全活動部門で選出された。

 市川さんは73年、東京水産大学を卒業後、姫路市職員となり同水族館に配属された。「他の水族館ではやっていないことがしたい」と水生昆虫に目を付け、ヤゴやゲンゴロウ、タイコウチなどの飼育を始めた。

 国内最大の水生昆虫であるタガメも探し回ったが、なかなか見つからなかった。休みのたびに姫路市内や西播磨を巡り、発見に約3年を要したという。「長期的な展示には、飼育下での繁殖が必要」と思い立ち、生態の調査を始めた。

 99年には、同市林田町の放棄田をビオトープとして生息環境を整備した。自ら立ち上げた「林田にタガメの里をつくる会」の会員らとともに、毎月、環境の維持管理や生息調査を実施してきた。2011年ごろからは、年に100匹を超えるタガメが羽化し、繁殖を続けている。

 ビオトープは現在、市伊勢自然の里・環境学習センターの一部として、小学生らの学習の場としても活用されている。市川さんは「もっと個体数が増えて生息範囲が拡大し、たつの市に住む群れとつながってくれたらうれしい」と話す。(谷川直生)

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