姫路

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中国道(奥の上部)やアスファルトに近く、区画はこぢんまりとしている福崎観測所=福崎町福崎新
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中国道(奥の上部)やアスファルトに近く、区画はこぢんまりとしている福崎観測所=福崎町福崎新
大きな柱が立つ区画が、姫路のアメダスの設置場所。面白山上に位置する=姫路市神子岡前3
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大きな柱が立つ区画が、姫路のアメダスの設置場所。面白山上に位置する=姫路市神子岡前3
神戸新聞NEXT
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 7月24日、全国840の観測所の日中最高気温で4番目に高い38・8度を記録するなど、14日連続で最高気温35度以上の猛暑日が続いた兵庫県福崎町。記録上、過去にない猛暑を印象付けた夏だったが、町内では「隣の姫路のほうが暑い」などと実感が乏しい。聞けば、「車がよく通って空気がこもる、アスファルトだらけの場所で気温を測ってるから」と、住民ら。気象庁さん、そんなこと、ないですよね?(井上太郎)

 ■首をひねる住民ら

 7、8月の熱中症の搬送者数は姫路市の277人に対して福崎町は14人。人口比では、姫路市は1918人に1人、福崎町は1384人に1人で確かに多いが、豊岡や高砂市より少なく、他市町に比べて突出もしない。

 町職員や住民は「豊岡は暑いとニュースでよく聞くけど、福崎は別に…」と一様に首をひねる。以前は姫路市飾磨区から通勤していた40代の男性に至っては「福崎に来たら車内の気温計が2度くらい下がってた」のだとか。

 だが、年1、2回、県内でも目立つ高温を記録している。その都度、ささやかれているのが、「測定場所悪条件説」だ。その説は北の神河町にまで伝わっていた。同町の住人に勧められ、くだんの高温をたたき出す「福崎観測所」をのぞいた。

 ■車道に囲まれて

 中国道市川橋のすぐ南にある中播消防署。アスファルトの駐車場の端に雑草が茂る小さな区画があり、2メートルほどのポールが立つ。これが地域気象観測システム、いわゆる「アメダス」だ。気温計はポールの上部、直射や照り返しを防ぐ断熱材入りの通気筒に収まる。

 周りは駐車場と車道。目と鼻の先の高速道路では、大型のトラックがもくもくと排ガスを残していく。「まあ、涼しいところではないですね」。汗だくで訓練する救助隊員を横目に、同署幹部がつぶやいた。

 今夏の最高気温、猛暑日の数ともに福崎町を下回る姫路市はどこで測っているのか。探してみると、国道2号の北側、住宅地を見下ろす「面白山児童センター」(姫路市神子岡前3)前にあった。長辺が30メートルはありそうな平地。標高約40メートルで、風をよく通す。

 ■立地「問題なし」

 気象庁に問い合わせると、担当者は「観測条件は同じです」と一刀両断。気温の測定は、地上1・5メートル▽直下は30平方メートル以上の平たん地に芝生もしくは防草シートを敷く-などと定められ、「福崎観測所も条件を満たしている」との見解だ。中国道市川橋が開通したのは設置後だが「年に1回は現地点検し、周辺環境の変化を確認している」と、問題視していない。

 担当者は「内陸部で海風がないから暑いのでしょう」と続ける。福崎観測所から市川河口までは約20キロ。同庁が毎日まとめる気象データの「全国ランキング」で、最高気温のトップ10常連になっている豊岡観測所は、日本海沿岸まで約15キロと同水準だ。

 確かに、宍粟市の一宮観測所(海まで30キロ超)や、朝来市の生野観測所(同40キロ超)も、最高気温が高い傾向があった。

 ■数字より大事なもの

 どうもまだすっきりしないので、福崎高校の協力を得て8月20日、かつて百葉箱を置いていた同校の中庭で、地上高などの条件をアメダスと合わせながら気温を測定した。アスファルトの照り返しも車の通行もない場所だ。晴天の午後2時で、37・1度。この日、アメダスが示した最高気温34・2度をはるかに上回った。

 「数字に踊らされず、体感温度や運動量にも気を配る。部活動の運用などを柔軟にし、熱中症対策を万全に講じたい」とは、岡野敦校長。ごもっともでございます。

   ◇   ◇   ◇

■アメダス移設で平均0・5度低く 群馬・館林

 地域気象観測システム(アメダス)の場所が変わったことで、最高気温の平均が下がった観測所がある。

 群馬県館林市は全国屈指の最高気温を記録することが多く、民間では、暑いまちとしての知名度を逆手にとった町おこしも芽生えるほどだ。今年6月、消防署の駐車場にあったアメダスが、約2キロ離れた高校のグラウンド内に移された。

“日本一”の座を争う他県の自治体を含めて数値への関心が高く、気象庁は今年10月まで、移設前後の観測データを比較公表。7~8月は最大で1・2度、平均で0・5度、移設後の気温が低く表れた。

 「観測環境が悪いのでは、と以前からうわさされていました」と、同市地球環境課の井野口雄三さん(36)。周囲にアスファルトと車の往来がなくなった移設後の数値を眺め、「環境の違いは否めないと思いますよ」と打ち明ける。

 気象庁によると、館林市でのアメダス移設は、消防署の移転に伴うもので、環境の適否を考えての措置ではないという。福崎観測所について同庁は「諸条件をきっちり満たしているので移設の必要はなく、予定もない」としている。

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