姫路

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弁慶復活のプロジェクトに取り組む飯塚祐樹さん(左)と壺坂良昭さん=姫路市夢前町古知乃庄
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弁慶復活のプロジェクトに取り組む飯塚祐樹さん(左)と壺坂良昭さん=姫路市夢前町古知乃庄
壺坂酒造に残る昭和初期の記録帳。弁慶を使った酒造りが詳細に記されている
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壺坂酒造に残る昭和初期の記録帳。弁慶を使った酒造りが詳細に記されている

 約百年前、兵庫県で主流だった酒米「弁慶」を使い、往時の酒造りを再現するプロジェクトに、兵庫県姫路市夢前町の老舗「壺坂酒造」や若手農業者が挑戦している。地元の新特産品として活性化につなげようと発案した。弁慶は現在の酒米の代表品種である山田錦が誕生するまで「エース米」の座を誇った。わずかに残っていた種もみから米作りを始め、来春の完成を目指す。(宮本万里子)

 弁慶は兵庫県が育種し、1924年に奨励品種に指定。戦前まで県内で最も多く作られた。粒や、麹菌を繁殖させる心白が大きく、山田錦と似た特徴を持つ。36年に山田錦が奨励品種となり、需要が高まるにつれて弁慶は減少。55年に指定を外された後はほとんど使われなくなった。

 今回、弁慶の復活に取り組んでいるのは、壺坂酒造をはじめとする地元企業、県立大などでつくる「夢前ゆめ街道づくり実行委員会」。観光客が伸び悩む町を活気づけようと2013年に発足した。

 17年秋、「百年前」をキーワードにPRを計画。酒米・弁慶が地元で栽培されていた歴史に着目し、書写山円教寺(同市書写)で武蔵坊弁慶が大暴れしたとの話、町内の北野神社にある石仏は弁慶の母の墓-などの伝説を知り、ゆかりの米で酒造りを思い立った。

 県立農林水産技術総合センター(加西市)に弁慶の種もみ約700グラムが残っていると判明し、購入。壺坂酒造で、醸造条件が分かる昭和初期の記録も見つかり、活用することに。吉備国際大農学部醸造学科(南あわじ市)の協力で創業200年超の壺坂酒造の酒蔵で酵母菌を採取し、酒造りに使うことも決まった。

 今年6月下旬、同町で農業を手掛ける「FARM HOUSE」代表で実行委メンバーの飯塚祐樹さん(39)の水田に苗を植え、プロジェクトが本格始動。早ければ来月にも稲刈りし、来年2月から壺坂酒造で仕込みに入る。順調にいけば3月に弁慶の日本酒がお目見えする予定。

 弁慶の復刻は東北の一部酒造会社が既に実現させたが流通は少ない。今回は720ミリリットル入り約500本を見込み、主に地元で披露する。飯塚さんは「どんな酒ができるのかわくわくする」。壺坂酒造専務の壺坂良昭さん(42)は「歴史を掘り下げた取り組みになった。商品化し、夢前町に人を呼び込む起爆剤にしたい」と力を込める。

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