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看板で周知する「ハイビーム活用モデル路線」=市川町下瀬加
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看板で周知する「ハイビーム活用モデル路線」=市川町下瀬加
新田隆弘交通課長
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新田隆弘交通課長
神戸新聞NEXT
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 日没がみるみる早まり、全国各地で「車は早めのライト点灯を」が合言葉になる季節がやってきた。そんな中、兵庫県神崎郡内では、ドライバーに前照灯を上向きにする「ハイビーム」を推奨する啓発が進む。前方の危険を早く察知し、事故を回避してもらうのに有効で、福崎署や自治体などでつくる神崎郡交通対策協議会が昨冬、市川町などの県道2路線を西日本初の「ハイビーム活用モデル路線」に指定した。強制力はないが、必要に迫られてなのか、じわり浸透の兆しが見える。

 同町の国道312号を東へ折れ、市川の支流沿いに車を走らせると、視界の大部分を占める山と田畑。のどかだと心が安らぐのは、夕刻まで。日が落ちると、たちまち前方は真っ暗闇だ。光源はほとんど見当たらない。急いでつけたライトの先に、蛍光色の看板が際立つ。「ハイビーム活用」の文字が、大きく浮かぶ。

 市川町から多可町へ抜ける県道34号「西脇八千代市川線」の市川町内10・2キロ区間。昨年12月、同町と神河町にまたがる県道404号「長谷市川線」(16・1キロ)とともに、ハイビームの推奨道路に指定された。

 ハイビームで被害を防止、軽減できた事故は少なくない。兵庫県内では2018年上半期(1~6月)、日没から日の出までの間、車両(ミニバイク以上)が第一当事者となった人身事故が、2430件発生。うちハイビームを使っていて起きたのは1%を割る。福崎署管内では、ハイビームでの事故はなかった。

 街灯などで明るく、交通量が多い都市部ではほぼ出番がないハイビーム。だが、ロービームの2倍以上にあたる約100メートル先まで照らすことができ、田園地帯や山間部での有効性は高い。昨年8月と同11月に長谷市川線でロービームの車が人をはねる死亡事故が相次いだことなどを受け、啓発が始まった。8カ所に看板を立て、照射角度のこまめな切り替えを呼び掛ける。

 モデル路線の指定は栃木県内にしか先例がない。罰則が重くなったり加わったりするわけではないが、地道に訴え続けた成果も見えてきた。2路線のハイビーム使用率は、指定前の調査(午後6時~同8時、100台前後を対象)では3・8~4・1%だったが、3カ月後には8・6~10・1%に向上した。

 同署は手応えを得る一方、「2路線はあくまで『モデル』。どこを走っても、前照灯の切り替えを習慣づけるきっかけにしてほしい」としている。(井上太郎)

■ローとハイ、場面に応じて使い分けて

 暗い時間帯に運転することが増えるこれからの季節、事故を防ぐために、ハイビームをどう使いこなせばいいのか。福崎署の新田隆弘交通課長(37)に、運転の心得や注意点を聞いた。

 -だいたいロービームで事足りるように思う。

 「いえいえ。例えば、時速60キロで走っていて、歩行者に気づいたらブレーキをかける。すると、ロービームで40メートル先が見えても、ちゃんと反応したつもりで制止が間に合わない。ハイビームなら2倍以上手前で気づける。この差で防げたであろう事故が多いんですよ」

 「実は本来、夜間はハイビームで走るのが基本。車両の保安基準でハイビームは『走行用前照灯』、おなじみのロービームは『すれ違い用前照灯』なんです。都市化、車の普及で今は実際のところ、ロービームが主流ですが、積極的に使うべきという考えは持ってほしい」

 -ハイビームをしてはいけない場面は。

 「前を走る車がいる、または対向車とすれ違うとき。対向時は相手がまぶしいだけでなく、光が重なる部分が全く見えない『蒸発現象』のリスクが高まります。霧やもやがかかるときも、ハイビームだと乱反射し、かえって見えにくくなる。ローで走ってください」

 「中央分離帯があっても、低いものであれば対向車がまぶしい可能性があるので、ローへの切り替えをお願いします」

 -雨の日は。

 「夜は晴れでも雨でも、同じような形で使ってください。なお、雨の日に昼間でもライトをつけるのは、後続に存在を知らせ、追突を防ぐためです。なので、日中はハイビームにする必要がさほどありません」

 -ドライバーに一言。

 「ローもハイも、自分と相手の身を守るための手段。『命を照らす』気持ちで、より良い視界の確保を常に心がけてください」(聞き手・井上太郎)

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