姫路

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恒屋城跡を整備し続ける橋本新一郎さん(右から2人目)ら=姫路市香寺町恒屋
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恒屋城跡を整備し続ける橋本新一郎さん(右から2人目)ら=姫路市香寺町恒屋
11月にお堂の周辺と前城跡(奥の最上段)に桜を植樹する住民ら=姫路市香寺町恒屋(提供写真)
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11月にお堂の周辺と前城跡(奥の最上段)に桜を植樹する住民ら=姫路市香寺町恒屋(提供写真)

 兵庫県姫路市香寺町に残る中世の山城で、市指定文化財の「恒屋城跡」が、地元住民たちの手で往年の城郭の姿とにぎわいを取り戻そうとしている。麓の北恒屋公民館から約20分で登れる気軽さと眺望から、近年は初日の出を拝む登山客らが増加。11月下旬には「憩いの場になれば」と標高約200メートルにあるお堂の周辺や前城跡に桜を植樹。貴重な遺構を全国に広めようとの機運が高まる。(井上太郎)

 恒屋城は室町期に赤松氏の家臣の恒屋氏が築城。だが、羽柴秀吉の中国遠征で毛利側についた同城主の恒屋氏が滅ぼされると同時に、城も焼き討たれたと伝わる。当時の城には珍しい竪堀があり、防御の意識が高かった西側の斜面には、複数の畝がはっきりと残っている。

 一帯が雑木林と化していた2005年。住民たちが保存顕彰会を立ち上げ、整備に乗りだした。中でも、幼少期から親に連れられて頻繁に登った同会長の橋本新一郎さん(66)の熱量は人一倍。今も毎月欠かさず訪れるほか、元旦は最大で約150人分の炊き出しを振る舞う。草は四半期ごとに刈り、保存顕彰会の仲間いわくほぼ“城主”の愛着で城跡と向き合う。

 橋本さんらは数年前、訪れた城跡ファンから「のぼりを立てて強調した方が良い」と助言され、即対応。近隣でかき集めたため、前城跡などに「うどん そば」の文字や地元信用金庫の屋号が踊ったが、昨年、城郭研究家・木内内則氏による復元図をあしらった正式なのぼりが立った。今年は県政150周年記念事業の一環でのぼりを追加。また11月下旬には「地域の歴史を広く発信してほしい」と、神崎ロータリークラブから桜の苗木を20本提供され、植樹祭を開いた。

 一方で、橋本さんは「安心するにはまだ早い」。城跡はかつて、昭和40年代から立木の伐採で復活し、鬼瓦などの出土品も掘られて脚光を浴びた。その後は自治会が維持管理したが、平成に入るころには関心が薄まり、たちまち荒廃した。

 「苦い過去を繰り返したくない」と橋本さん。今後はJR溝口駅から城跡をめぐるといったイベントを打ち出す考えで、「いろんな人に登ってもらうのが出発点。そこから輪を広げ、みんなで守っていくような仕組みを築きたい」と力を込める。

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