姫路

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「姫路を発信する場として活用してほしい」と話す石見利勝市長=姫路市役所
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「姫路を発信する場として活用してほしい」と話す石見利勝市長=姫路市役所

■新施設「21世紀の築城」

 15年前、それまであったホール計画に反対し、姫路市長に初当選した石見利勝さん。市文化コンベンションセンターは自らが一から実現へのレールを敷いた大型施設で「21世紀の築城」と位置付ける。先日起工となったが、立地や規模、進め方などに依然、賛否の声が絶えない。来春での引退を表明した石見さんに同センターに期するところを語ってもらった。(聞き手・宮本万里子)

 -新施設への思いは。

 「手柄山の文化センターが老朽化し、建て替えの検討を始めたのが出発点だ。市民が活動発表などで芸術に親しみ、さらに産業振興の拠点にもなる空間が必要だと考え、計画を進めてきた。市民生活を充実させ、姫路のステータスを上げ、姫路城に次ぐシンボルになる施設だ。強い思い入れを持っている」

 -新施設の機能、建設地への考え方は。

 「文化センターに替わる施設を検討する一方で、姫路にコンベンション機能を持つ施設をとの思いがあった。フランスのパリは世界一の観光都市だが、集客の大きな柱が展示会。(ビジネス上の学会や大会などを指す)MICE(マイス)の誘致でも関西では大阪や神戸が主流。姫路はキャパシティーが足りず、機会を逃がしていた。JR姫路駅から約700メートル東に、駅周辺整備で最後に残った種地があった。新幹線の停車駅から徒歩圏。この立地を活用しない手はないと思い、建設地に決めた」

 -どう進めてきたか。

 「専門家を招いた職員の勉強会や文化センターを利用する団体へのアンケートを重ねた。中身を広報し、自らも公の場で発信した。何年も精力的に動いて市民ニーズを探り、煮詰めた」

 -施設の規模や外観に不満な市民もいる。手柄山近くにJR新駅が計画されているため、「移転しない方がいい」という声もある。展示場とホールとの「同居」に不安を訴える人も。どう応えるか。

 「2千席のホールは文化センターより大きくなる。これまで姫路ではかなわなかった公演を呼べるようになり、吸引力を発揮できる。外観は姫路城を意識しつつも完全な和風は避け、近代和風のイメージにした」

 「新駅は完成がまだまだ先だ。古い文化センターを使っているうちに事故でも起きたら大変。ゆっくりできない。文化センターの現地建て替えより、新築移転の方が経費が安いという試算も出た。また、姫路は人口53万人規模のまち。音楽、演劇などと専用ホールをいくつも構えるより、多目的な施設の方が身の丈に合っている」

 -東隣に県立病院ができる。共存に心配の声も。

 「交通渋滞への対策は必須だが、隣り合うことはプラスに捉えている。姫路は医師確保の面で『医療の谷間』と言われてきた。駅から近く、先進医療に触れられる病院ができれば脱却できる。成人病の検査なども充実するため、医療ツーリズム効果も期待できる。検査に来た人が新施設で音楽を楽しんでもらうなど新しい形があってもいい」

 -市民にメッセージを。

 「どんな事業にも必ず異なる意見は出る。それも含めて利用面で生かせれば。利用者あっての施設だし、市民の意見は大事だ。具体的な方法は新市長の腕の見せ所だが、インターネットに頼らず、気軽に語り合うタウンミーティングのような形が望ましいのでは。新施設の整備は『21世紀の築城』。姫路を発信する場として活用してほしい」

=おわり=

【いわみ・としかつ】1941年、姫路市生まれ。京都大卒。戦後初の公選姫路市長・故石見元秀氏の三男。建設省を経て立命館大政策科学部長などを歴任。専門は都市計画。2003年に市長に初当選し、4期目。19年4月29日の任期満了に伴い退任する。

<記者の目>市民の声 新市政に継承を

 「21世紀の築城」という言葉に、新施設に込めた思いの強さを感じた。新施設への市民の関心は、想像以上に高い。「批判の声、情報発信が足りないという声をどう受け止めるか」とぶつけると、表情がひときわ締まり、「そういう声こそ開館後に生かすべき」と力を込めた石見市長。来春で引退し、自ら実現することはかなわないが、市長選を経て誕生する新市政に受け継がれることを願う。

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