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第30回有本芳水賞を受けた子どもたち=姫路市十二所前町、姫路信用金庫本店
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第30回有本芳水賞を受けた子どもたち=姫路市十二所前町、姫路信用金庫本店

 兵庫県姫路市出身の詩人有本芳水(1886~1976年)にちなんだ「子供の詩 有本芳水賞」が30周年を迎えた。少子化や活字離れが進む中、応募点数は年々増え、レベルも向上している全国的にもまれなコンクール。同市十二所前町の姫路信用金庫本店で表彰式があり、最優秀賞には同市立大津小6年の藤井怜子さん(12)が選ばれた。

 有本は明治末~大正期、雑誌「日本少年」に子ども向けの詩を盛んに発表。旅愁を誘う七五調の詩で人気を博し、「芳水詩集」(1914年)は大ベストセラーになった。賞は、同信金の創立80周年を機に発足した「ひめしん文化会」が89年に創設。今年は播磨地域の小学校92校から1万2663点の応募があった。

 藤井さんの受賞作のタイトルは「S」。緊張感に満ちた百人一首大会の情景を活写した。

 〈読手の口がすぼまり/歯と歯の間から空気がもれる。/--S/弓矢はまっすぐ/夢を射抜き、ゆめを手に取る。〉(一部抜粋)

 選者の詩人時里二郎さん、尾崎美紀さんともに「言葉を極限まで凝縮した見事な表現」と絶賛し、最高賞に即決したという。

 家業が書店で本に親しんで育ったという藤井さんは「百人一首で一番好きな歌〈住の江の岸による波よるさえや夢の通い路人めよくらむ〉のことを書きました。受賞を励みに中学でも競技かるたや部活を頑張りたい」と喜びを語った。

 同会では、15周年の記念詩集「小さな心を刻んで」に続き、16~30回の受賞作品集を近く刊行予定。三宅智章・同信金常務理事は「一瞬一瞬を大切に生きている子どもたちの言葉に大人の方が教えられる。その素晴らしい感性を将来の地域社会に生かしてもらうためにも末永く賞を続けていきたい」と話していた。(平松正子)

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