姫路

  • 印刷
千年に1度の大雨で、5メートル以上の浸水が想定される住宅地を指す坂本信嘉・姫路東消防団長(右)と三輪昌弘・砥堀分団長=姫路市砥堀
拡大
千年に1度の大雨で、5メートル以上の浸水が想定される住宅地を指す坂本信嘉・姫路東消防団長(右)と三輪昌弘・砥堀分団長=姫路市砥堀

 14日告示、21日投開票の兵庫県姫路市長選は、現職石見利勝氏(77)の引退により、16年ぶりに新たなトップが選ばれる選挙となる。平成が終わり、「令和」の初代市長に委ねられる各分野の課題を検証し、立候補を表明したともに新人の元副市長飯島義雄氏(59)、医師清元秀泰氏(55)の政策を紹介していく。

   ◇

 「浸水5メートルを超えれば、2階に達する。垂直避難では危ない」

 姫路市中心部の東側を流れる市川。姫路市砥堀の橋上で、川の西側に広がる住宅街を見つめながら、姫路東消防団の坂本信嘉団長(62)は眉をひそめた。

 24時間で617ミリという「千年に1度」の大雨を想定した県の被害推計では、市川流域の浸水面積は70・5平方キロメートルに達する。あふれた濁流は中心市街地をのみこみ、JR姫路駅周辺の浸水深は2・2メートル。地図で表すと、姫路城周辺から姫路港までの一帯が、浸水被害を示す朱に染まる。

 川沿いの砥堀は、5メートル以上の浸水が見込まれ、最も被害が懸念されるエリアの一つだ。2011年は台風接近で水路があふれ、床上浸水が5軒、床下浸水が25軒出た。

 坂本団長は「避難所に逃げるにしても、高齢化が進み、脚が不自由な人も増えた。従来の想定を超える水害は命に関わる」と警戒する。

   ■

 全国各地で記録的な豪雨災害が発生している。県は市川の川底を掘り下げたり、川幅を広げたりする工事を行い、30年に1度の大雨に耐えうる河川改修を進めている。それでも、県姫路土木事務所は「あらゆる規模の風水害をしのぐのは難しい」と限界を認める。

 異常気象にハード対策が追いつかない中、姫路市危機管理室は職員を自治会や中学校に派遣し、防災講座を開くが、市民の避難意識を高めるのは難しい。

 昨年の西日本豪雨でも、岡山県倉敷市真備町地区で亡くなった51人の約8割が、住宅の1階部分や平屋の建物から見つかった。浸水域は想定と一致していたが、住民の多くは想定を知らなかったとみられる。

   ■

 姫路市は19年度、市内全域の400カ所にデジタル防災行政無線を整備し、防災センターからの情報を拡声器で放送できるようにする。避難勧告が出たエリアにピンポイントで放送を流し、危険性を伝える。

 情報は市ホームページやツイッターなどでも同時配信。テレビ、ラジオも活用し、住民が避難の必要性を主体的に判断できるよう、正確な情報を迅速に提供する。

 市危機管理室は「市全域の災害情報を羅列するだけでは、避難行動に移りにくい。多元的な情報発信の積み重ねで、避難意識の向上を図っていくしかない」とする。(伊藤大介)

【姫路市長選立候補予定者アンケート】

<豪雨災害が増える中、市川にどのような対策を講じるべきか>

▼清元秀泰氏 市川では県が「ながす・ためる・そなえる」治水事業を展開し、効果も出てきた。さらに推進すべく計画が立てられており、国県と連携して急ぐ。姫路市としては、市川だけでなく夢前川や揖保川など各水系で対処が必要

▼飯島義雄氏 市川は洪水流下能力不足が問題。国・県とのパイプを活かし、下流域から上流域へ速やかな浚渫(しゅんせつ)、河床(かしょう)掘削を進めるよう県に求め、河川断面拡大を図る。一方、総務省消防庁防災課長の経験を活かし住民避難も万全に対応

姫路の最新
もっと見る

天気(8月25日)

  • 31℃
  • ---℃
  • 20%

  • 31℃
  • ---℃
  • 20%

  • 31℃
  • ---℃
  • 20%

  • 33℃
  • ---℃
  • 20%

お知らせ