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姫路市長選立候補予定者の2人を招いて開かれた公開討論会=11日夜、姫路市総社本町、市民会館
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姫路市長選立候補予定者の2人を招いて開かれた公開討論会=11日夜、姫路市総社本町、市民会館
(左から)飯島義雄氏、清元秀泰氏
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(左から)飯島義雄氏、清元秀泰氏

 兵庫県姫路市長選(14日告示、21日投開票)の立候補予定者2人による公開討論会が11日夜、姫路市総社本町の市民会館大ホールで開かれた。姫路青年会議所主催。ともに無所属で新人の元姫路市副市長飯島義雄氏(59)と医師清元秀泰氏(55)が登壇し、それぞれの地域活性化策や定住促進について持論を述べた。互いの公約の実現性について応酬するなど舌戦を交わし、約690人の市民が聴き入った。(伊藤大介、井沢泰斗、谷川直生)

 -姫路市は緩やかだが少子高齢化や人口流出が進む。人口減について考えは。

 清元「子どもが授かりにくい方には不妊治療費を助成し、病児保育や夜間のお泊まり保育の充実で働く環境を整える。義務教育の終了後も、姫路へ帰ってきたら返す必要のない、給付型の奨学金をつくりたい」

 飯島「転出超過を食い止めるため子育て日本一の街にする。学校給食の無料化、中学3年生までの医療費無償化の所得制限撤廃により、全国から若者を集めたい。財源は自らの報酬を3割削減するなど徹底的な行政改革で生み出す」

 清元「給食費や医療費の無償化の財源を確保するには、飯島さんの給与の3割カットだけだと難しいのでは。例えば給食費は2人目から減額、3人目からは無料と、多くの子を産んで育てる方にインセンティブを生じさせるべき」

 飯島「両施策に必要な費用は約25億円。給与削減以外にも、ふるさと納税の活用や国の特別交付税を持ってくることで財源にする。反対に、姫路に帰ってきたら全額無料の奨学金制度をつくるというが、財源はどうやって生み出すのか」

 清元「有効求人倍率が3倍を超える医療福祉や第一次産業など、業種で(奨学金の対象となる)領域を設定する。業界団体と官民ファンドをつくって運営する。今はそれほど多くの人が奨学金を使わないので、5~6億円で基金は回っていくだろう」

 -地域創生への意見は。経済、雇用、学びなど多くの側面からうかがう。

 飯島「姫路駅前はきれいになったが一歩離れると人通りが減り、さらに離れると空き家が増える。駅前以外の地域、市全域の個性を生かした均衡あるまちづくりが必要。雇用創出や新規就農の促進、公共交通の再構築、土地利用の緩和によりそれに取り組んでいく」

 清元「姫路の東西、北部を通る国道に道の駅を整備。地域コミュニティーの拠点とし、害獣対策で捕れたイノシシやシカのジビエ料理を提供する。広い駐車場に車を止めてもらい、駅へ向かう直行大型バスを運行することで、買い物難民や通院の不便を解消する」

 飯島「道の駅は何カ所くらい考えておられるのか」

 清元「人口減少地域、例えば東部の国道372号や北部の国道312号など、5~10年かけて4カ所ほど整備したい。それも官民一体型で運営するような特色のある道の駅だ」

 飯島「道の駅は大いに賛成だが、国の採択基準があるので何カ所も整備するのは難しい。官民が知恵を出し合い、道の駅の機能を持ったユニークな施設を独自でつくるべきだと思う」

 -雇用はどう生み出す。

 清元「姫路は山陽自動車道や播但連絡道路、太子バイパスなど交通網が整っている。臨海部の重工業だけでなく郊外型の物流基地をつくり、医薬品系企業も誘致したい。企業の知り合いが多くいるので自らセールスマンとして売り込む」

 飯島「私は今ある播磨臨海工業地帯の企業の雇用をしっかり守っていくことが必要だと考える。中小のオンリーワン企業についても、市が一緒になって世界へ宣伝し、若者の就職につなげていく。観光も新たな産業として育てるべきだ」

 -観光の発展について。姫路に宿泊しない観光客が多いが、意見は。

 飯島「通過型観光を滞在型観光にする。好古園の深夜営業や、エッフェル塔のように時間を決めて姫路城をライトアップし、城内での肝試しや忍者体験、早朝ツアーなど姫路城を利活用する。駅前には歴史的な人物の銅像を建て、新たに小利木町や野里、網干の古い町並みを全国的な観光地に育てたい」

 清元「ホテルにチェックインした外国人に忍者の衣装を用意し、着替えて三の丸広場へ集合。夜の姫路城を回る忍者ツアー。降りてきたところに播磨の地酒と姫路おでんを味わってもらう。足りないから魚町、塩町、おみぞ筋に行こうか、となる。銅像もいい発想だが、私は千姫を大河ドラマにしたい。駅前には岡田准一さんに黒田官兵衛の手形を押してもらう。観光にはわくわくドキドキが必要」

 飯島「家島、坊勢の活性化のために観光クルージング船を誘致する。臨海部の工場の夜景やマリン観光を推進したい。合併町ではジビエ料理と地酒を組み合わせて人を集める」

 清元「播磨は祭り。屋台の保存会館をつくり、秋には大手前通りを練り歩く。祭りを観光の目玉にしたい」

 飯島「全く同感です」

 -飯島さんが深夜営業と発言したが、人材確保が難しいと言われている。

 飯島「好古園は午後5時に閉まる。午後10~11時まで営業すればもう1泊してくれるのでは。将来的にはゲストハウスや結婚式場にも利活用したい」

 清元「市職員の働き方改革にも関わるので民間の警備会社を入れるべき」

 飯島「ずいぶん前から民間委託している。さらに民間の活力を使う」

-姫路の未来についてはどう考えるか。

 飯島「2060年に人口47万人と推計されているが53万人をできるだけ維持したい。若者が戻ってくるように子育て日本一、創業バリアフリー、観光の産業化を進める。既存の中小企業を手助けしながら、先端産業を誘致する。文化庁や官公庁と相談して観光特区をつくりたい。医療・福祉では新しくできる県立病院を活用し日本有数の医療都市にする。徹底した介護予防と介護事業者の労働環境の見直しも行う。教育には特認校制度を取り入れる。さらに国と連携して出生率が高い姫路に集中投資し、連携中枢都市を実現したい」

 清元「姫路には技術力を持つ中小企業がたくさんあるが、弱点は中間財が多いこと。技術力を結集し、最終完成品を作ることで初めて付加価値が上がる。姫路は神戸と岡山に挟まれた医療の谷間と言われる。医療人を育成する播磨医科大学をつくり、8市8町120万人を守る。新設は厳しいので東京あたりの不祥事を起こした医科大学を買ってくる。また、災害の少ない姫路に政府機能を誘致する。そうすれば新幹線の停車本数も増える」

 飯島「不祥事を起こした医科大は赤字まみれ。姫路市が引き受けることはできない。給食費無償化の何百倍の金がかかるのでは」

 清元「東京で財務状況を調べたところ負債は10年もあれば解消できる。市が買うのではなく、私立でいい。土地ぐらいは市が用意する」

 飯島「それでは誘致が難しい。独協大学本体に協力してもらうのが現実的ではないか」

 清元「618床以上の病院がないと医科大学は来ない。県立循環器病センターと製鉄記念広畑病院を足して736床あるので、大学側の建設費が安く済む」

 -追加したいことは。

 清元「姫路港が開港60周年を迎えた。山陽電鉄と協力して飾磨駅を高架化し、思い切って港まで線路を延ばしてもらいたい。姫路駅からフェリーターミナル、そのままフェリーで坊勢、家島へとなれば観光振興にもつながる。次の世代に夢を託すのも市長の役割。自分が夢を語れないとこの町に未来はない」

 飯島「どんどんオリンピック選手がでるように力一杯取り組む。伝統文化も盛ん。外国の方が姫路に来たら伝統文化、芸能、そして祭りを終年で楽しんでもらえる祝祭都市にしたい」

 -任期中にすることと後継者に委ねること。整理して説明を。

 清元「医科大は売却、誘致、基金の調整に5年はかかる。10年を目途につくりたい。播磨臨海地域道路は10年ぐらい前倒しできればいい。全線開通には15年かかるかもしれないが、5~10年の間に着工したい。市場の移転や県立病院の建設は既に決まっている。最初の4年は石見市長の中で決まったことを実直に、頂いた宿題だと思い、前倒しの男として頑張る」

 飯島「基本は4年で実現したい。市長は市民が選ぶもの。与えられた1期4年間、市民目線で声なき声を吸い上げる。ただ、姫路港や播磨臨海地域道路は長期的な課題。また、世代を超えた世界一ユニークな図書館をつくりたい。これも1期ではできない。世界の人が集まり、子どもの遊び場になり、高齢者と子どもが触れ合える。そんな世界に誇る図書館を考えたい」

     ◇

 主催者の姫路青年会議所は16日夕から、討論会の全容を動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開する。

【飯島義雄】姫路市生まれ。東京大経済学部卒業後、旧自治省(現総務省)に入り、福井県副知事や消防庁防災課長を歴任。2011~15年に姫路市副市長。好きな言葉は「現場主義」。趣味はママチャリで市内各地域を巡ること。「(日焼けして)ポスターより色黒になった」。

【清元秀泰】姫路市生まれ。香川医科大(現・香川大医学部)卒業。昨年4月まで東北大教授を務めた。好きな言葉は真心や誠実さを持って接する大切さを説いた「至誠惻怛」(しせいそくだつ)。息抜きは料理。「共働きで、子どもに野菜炒めを作ったり、魚をさばいたりした」

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