姫路

  • 印刷
江戸時代からの万葉集の注釈書などが並ぶミニコーナー=姫路市山野井町、姫路文学館
拡大
江戸時代からの万葉集の注釈書などが並ぶミニコーナー=姫路市山野井町、姫路文学館

 初春の令月、気淑く風和ぐ-。平成から令和への改元にちなんだミニ展示「新元号『令和』と『万葉集』」が、兵庫県姫路市山野井町の姫路文学館で開かれている。典拠となった万葉集の「梅花歌序」の成り立ちや、その作者をめぐる研究について紹介。議論を呼んでいる中国古典との関係性についても、関連書籍を並べて解説している。

 梅花歌序は、万葉集巻5の一節。730(天平2)年、大宰府(福岡県)の大伴旅人邸で開かれた梅見の宴での和歌32首の前に置かれた序文だ。会場には西本願寺本「万葉集」(1933年の複製)や、江戸後期の文化2(1805)年版「万葉和歌集校異」を展示。読み手の書き込んだ朱筆の跡も残り、万葉集が古来親しまれてきた様子がうかがわれる。

 この序文の作者については、大伴旅人説や山上憶良説などがあり、古くから意見が分かれている。展示では、江戸中期の国学者・契沖による注釈書「万葉代匠記」をはじめ、姫路出身の国文学者・井上通泰の「万葉集新考」(憶良説)、中西進・同館初代館長の「万葉と海波」(旅人説)などを並べ、長きにわたる論争の歴史をたどる。

 また、梅花歌序への影響が指摘されている中国古典の該当箇所も公開。中国・梁の文芸集「文選」に収められた「帰田賦」には「仲春の令月、時和し気清し」という記述があるほか、東晋の書家・王羲之が書いた「蘭亭序」の「天朗かに気清く、恵風和暢せり」にも類似が認められる。

 学芸員の徳重公美さんは「令和の元号に私たちが親しむのはこれからですが、その背景を知ると、ありのままの自然をめで、季節の移ろいを喜ぶ気持ちが伝わってくる。中国の優れた文学を尊ぶ心情も表れており、あらためて美しい言葉だと感じてもらえるのでは」と話す。

 このほか、南階2階の図書室には、同館で1993年に開催した「万葉-人と歴史」展の図録など、万葉集の関連書籍を集めたコーナーを設置。常設展「姫路城歴史ものがたり回廊」では「万葉の宴 恋しい人との別れの歌」を上映している。ミニ展示は期間未定だが、5月中は開設している。同館TEL079・293・8228

(平松正子)

姫路の最新
もっと見る

天気(8月18日)

  • 33℃
  • 27℃
  • 20%

  • 35℃
  • 23℃
  • 30%

  • 34℃
  • 27℃
  • 10%

  • 36℃
  • 26℃
  • 20%

お知らせ