姫路

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海上の底引き網漁船に横付けし、漁師の仕事ぶりを間近で見学する児童=姫路市家島町の坊勢島沖
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海上の底引き網漁船に横付けし、漁師の仕事ぶりを間近で見学する児童=姫路市家島町の坊勢島沖
坊勢漁協が新造した漁業体験見学船「第8ふじなみ」=姫路市家島町坊勢
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坊勢漁協が新造した漁業体験見学船「第8ふじなみ」=姫路市家島町坊勢

 海上で漁師の仕事ぶりや新鮮な海の幸に触れてもらおうと、兵庫県姫路市家島町坊勢の坊勢漁協が建造した漁業体験見学船「第8ふじなみ」が5月から稼働を始めた。水産庁によると、見学のための専用船を漁協が新造する事例は全国的にもまれ。県内最多の組合員を有する同漁協だが、厳しい後継者不足に危機感を強めており、新たなツールを使って漁業の魅力発信や産地のブランド化を狙う。

 「あれが底引き網漁船やで。漁師さんが今から網を上げるからな。どんな魚がとれるかなー」

 6月下旬、妻鹿漁港を出発した「第8ふじなみ」は南へ約1時間進み、小豆島に近い海域で1隻の漁船に近づいた。同市立八木小学校の3年生23人が甲板に集まり、視線を漁船へ注ぐ。

 漁師が巻き上げた網の中でスズキやコチが光る。見学船が横付けするとマダイが手渡され、児童はピチピチ跳ねる様子に歓声を上げた。同漁協職員が包丁を入れて血抜きを始める。うろたえる子もいたが、下船後に刺し身を口に運ぶと「コリコリしておいしい!」と次々と箸をのばした。

 参加児童の半数は魚をおろす様子を初めて目にし、3人は刺し身を初めて食べたという。案内した同漁協職員の上田章太さん(31)は「漁場を見ておいしい魚を食べてもらう。幼い彼らに地元の産地を印象づけたい」と話す。

 見学船は全長24メートル、総トン数19トン。妻鹿漁港と坊勢島を高速船並みの速さで行き来できる。乗船人数は船室と2階デッキ合わせて計65人。航行中、船室内の複数のモニターでさまざまな魚種や漁法を学べる。国の補助金などを活用し、約1億5千万円かけ建造した。

 家島諸島では民間の漁業観光ツアーもあるが、案内しているのはほとんどが底引き網漁。この見学船は乗船人数や移動速度の面で自由度が大きく、春のサワラ漁、カキやノリ養殖など四季折々の漁法を安全かつ快適にガイドできる。

 本年度は市内の小学校14校の計900人のほか、企業互助会などの申し込みも相次ぎ、11月までに約1600人の利用を見込む。30人までの料金は10万円(税別)で、通常プランの所要時間は妻鹿漁港発着で1~2時間だという。

 同漁協の組合員は現在482人と県内漁協で最多だが、20~30代の割合が落ち込んでいる。同漁協の竹中達彦総務部長(47)は「若い漁師を増やすには所得の底上げが急務。坊勢ブランドを広め、消費者から選んでもらうことで魚価を高めたい。現場を直接見てもらえる見学船への期待は大きい」と話す。同漁協TEL079・326・0231

(小林良多)

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