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8月末で100年の歴史に幕を下ろす「藤森耳鼻咽喉科」=姫路市本町
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8月末で100年の歴史に幕を下ろす「藤森耳鼻咽喉科」=姫路市本町
診療所の歴史を振り返る藤森春樹さん=姫路市東雲町2
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診療所の歴史を振り返る藤森春樹さん=姫路市東雲町2

 兵庫県姫路市本町で約100年続いてきた診療所「藤森耳鼻咽喉科」が、8月いっぱいでその歴史に幕を下ろす。施設の老朽化のため、運営母体の医療法人伯鳳会(同県赤穂市)が閉院を決定。現在は経営から離れているが、長く院長を務めてきた耳鼻科医師の藤森春樹さん(93)=姫路市=は「生まれ育ち、長い医師人生を送ってきた場所。寂しい気持ちもあるが、多くの患者さんのお役に立てて良かった」と話す。(井沢泰斗)

 診療所は藤森さんの父真治さんが1915(大正4)年に開院し、約10年後に20床の入院施設を備えた「藤森病院」となった。後に長男が院長、次男が事務長に就き、大学病院で経験を積んだ三男の藤森さんも副院長として加わった。「当時は朝7時半から入院患者の診察を始め、夜の11時まで働いた。他病院から応援をもらうほど、本当に忙しかった」と振り返る。

 手術件数が増えて患者を受け入れきれなくなり、68(昭和43)年にベッド数を60床に増やして建て替え、現在の建物ができた。院内では当時珍しかった看護師養成所を大正時代から運営。後に「藤森看護専門学校」となり、2005年に姫路市医師会看護専門学校に編入されるまで、近隣の医療機関で活躍する人材を多く輩出した。

 藤森さんは長く病院長を務めたが、共に診察や手術にあたっていた長兄とおいが病気で死去。07年には医師不足のため診療所に戻した。大学の後輩でもある副院長と運営を続けたが、17年に心臓の手術を受けたことで現場を離れ、運営も翌年から伯鳳会に委ねた。

 閉院に伴い、向かいで薬を処方してきた「大澤薬局本町店」も8月末で閉店する。15年間勤めた管理薬剤師の鷹谷将之さん(45)は、藤森さんについて「病院の頃は『いつ寝るんだろう』というくらい忙しそうだった。すごい先生と一緒に仕事ができて良かった。閉院は寂しい」と語る。約20年間診療所に通う男性患者(67)=同市=は「藤森さんも今の院長さんも、丁寧で的確に診察してくれた。頼りにしていたので残念」と惜しむ。

 藤森さんは「播磨一円の患者さんを受け入れ、医者としての役割を果たせたと思う。これだけ多くの方に頼ってもらえたのはありがたいこと」とほほ笑んだ。

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