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ヤヱガキ醗酵技研が開発したカラフルな天然色素=姫路市林田町六九谷
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ヤヱガキ醗酵技研が開発したカラフルな天然色素=姫路市林田町六九谷
発酵に関するさまざまな研究を手掛ける「ヤヱガキ技術開発研究所」=姫路市林田町六九谷
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発酵に関するさまざまな研究を手掛ける「ヤヱガキ技術開発研究所」=姫路市林田町六九谷
同じ敷地にあるヤヱガキ酒造。杜氏(とうじ)手作りの酒林がつり下がる=姫路市林田町六九谷
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同じ敷地にあるヤヱガキ酒造。杜氏(とうじ)手作りの酒林がつり下がる=姫路市林田町六九谷
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 酒どころ・播磨の中でも歴史の長さから一目置かれる酒蔵「ヤヱガキ酒造」(兵庫県姫路市林田町)。林田川の清流と農村風景に囲まれたその敷地に、ひときわ目立つ大きなビルがそびえる。「ヤヱガキ技術開発研究所」。日本酒と関係はあるのか? 一体何を研究している施設だろう? 知る人ぞ知る同研究所の業務と、地元の人々も意外と知らない「ヤヱガキ」の歴史を探った。(井沢泰斗)

 赤、黄、青-の原色にとどまらない。ビーカーや試験管に入ったカラフルな液体は食品の着色に使用される「天然色素」だ。

 ここは、ヤヱガキ技術開発研究所内に本社を置く「ヤヱガキ醗酵(はっこう)技研」。約100人が在籍し、「ヤヱガキグループ」に属しているが、酒造とは全くの別会社だという。

 「加工食品や菓子、飲料に調味料。スーパーやコンビニで購入する商品に結構な確率で使われていますよ」。同社の八木和幸営業部長(58)が胸を張る。

 手掛けるのは沖縄で酒造りに使う紅麹やクチナシ、紅花、パプリカなどの素材から生み出した300種以上の色素。化学的な合成着色料とは異なる天然色素の分野で全国トップクラスのシェアを誇る。麹や酒かすを使った機能性食品素材の開発にも力を入れる。

 1970年、先々代の当主・長谷川勘三氏が、酒造りの技術を応用することで紅麹から天然の赤色色素を生み出した。

 当時、主流は合成着色料だった。「安全で世の中に役立つものを」と79年に醗酵技研を設立し、新分野への本格進出を果たした。

 事業が軌道に乗ったきっかけは、流通し始めたばかりだった「カニかま」。偶然、カニの足を模した赤色に同社の色素が適合した。売り上げは伸び、併せて他の色素の開発を積極的に進めることにつながった。

 近年、主軸になりつつあるのは大手コンビニチェーンからの受注だ。常に新商品を発売し続けるコンビニ側の要望に応えるため、同社も絶えず色を調整し続けながら並走している。

 山本篤史・色素&素材研究開発課長(45)は力を込めた。「昔は大口の需要があればしばらく安泰だったが、今は違う。変化に対応するためのスピード感が欠かせない」

◇ヤヱガキグループ発酵を軸に事業展開  創業350年、播磨随一の歴史◇

 ヤヱガキ技術開発研究所の建物は白衣姿の社員が頻繁に行き交う。色素や食品の研究に携わるヤヱガキ醗酵技研の社員だけでなく、酒造に関わる品質管理や商品開発などの研究者も多く出入りする。

 ヤヱガキ酒造15代目当主の長谷川雄介社長(42)は「バイオ燃料や医薬品など一部で発酵を扱う会社はあるが、発酵そのものを基軸にビジネス展開をしている企業は珍しいのではないか」と話す。

 ヤヱガキグループの起源は、1666(寛文6)年と約350年も前にさかのぼる。因幡街道の宿場町として栄えた林田町で初代の長谷川栄雅が酒屋を開き、後に酒造りを始めた。

 今に受け継がれる研究開発の社風を生んだのは、13代目の長谷川勘三氏(1918~91年)だ。

 大阪帝国大(現大阪大)で研究者を目指したこともあったが、酒造りの自動化を目的に醸造機械の開発に取り組んだ。機械は他の酒蔵でも導入され、醗酵技研での色素研究や総合研究所(現・技術開発研究所)設立などの事業も積極的に展開した。一方で酒造りは手作りの品質に立ち返った。

 現在はグループ4社に計約150人が勤務し、地域の雇用にも貢献。長谷川雄介社長は「街中ではないけれど、ここで働きたいと思われ、地域に愛される会社を目指したい」と強調した。

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