肉や魚はもちろん、ネギやニンニクなどの「五葷(ごくん)」も使わない本格的な精進料理店「精進ごはんや香凜」が今月、兵庫県姫路市本町に開店した。月内は金曜のみ、2月からは木・金曜に営業。店主の堀田保美さん(46)は「ヴィーガン(完全菜食主義)の観光客にも安心して食べてほしい」と話す。
もともと健康志向が強く、5年ほど前から専門家に学ぶなどして、五葷抜きの厳格な精進料理にたどり着いたという。昨夏からは同市飾東町の「コミュニティカフェあまかわ」で週1回、食事を提供してきた。
姫路にはヴィーガン主義が広く根付いた台湾からの観光客が最も多いが、精進料理店が市内にほとんどないことから、中心地での出店を決めた。場所は日替わりで多彩な店を出すスペース「クワイエット・ホリデー」。堀田さんの営業日には、台湾で菜食を意味する「素食」の看板を掲げる。
五穀米にスープ、おかず3、4品で千円。カキフライや肉団子、グラタンなど、味も食感も本物そっくりだが、原料は大豆だ。野菜は有機栽培の地元産。スープも昆布や干しシイタケでうま味を出す。プラス300円で、自家焙煎のコーヒーと野菜ケーキが付く。
「現代人には野菜が著しく不足しており、ニンニクなども長期的には五臓を傷める。観光客だけでなく、地元の皆さんにもおいしく食べて健康になってもらえたら」と堀田さん。
午前11時~午後3時、カフェは午後4時まで。同店TEL070・5269・9890
(平松正子)
