播磨灘西部で2日、イカナゴのシンコ(稚魚)漁が解禁された。事前の試験操業で魚影が薄く、当初の解禁日を2日遅らせての出漁だったが、妻鹿漁港(兵庫県姫路市白浜町)での初日の水揚げ量は不漁だった昨年の3割程度と低調な結果に。浜には漁業関係者のため息が広がった。
同漁港には県内最多の計約200隻を擁する同市の坊勢、家島漁協が水揚げ。夜明けの午前6時20分から網を入れ、同8時すぎから運搬船が漁港に姿を見せ始めた。シンコは5~6センチとこの時期としては大きめ。暖冬で水温が高く、減少した個体数に対し、餌が豊富だった影響とみられる。
坊勢漁協によると、この日の水揚げは約8・5トン。漁期を大幅に短縮した昨年を大きく下回り、2017年から続く不漁傾向は好転しなかった。1籠(25キロ入り)は7万5千円~10万円で、昨年を1万円以上も上回る高値が付いた。シンコはトラックで市内や神戸のスーパーなどに運ばれた。
同漁港内の「JFぼうぜ 姫路とれとれ市場」では予約者優先で1キロ3800円で販売されたが、入荷量が少なく、9人が買えただけ。来年以降は予約の受け付けもやめ、店頭売りに限定するという。
先月29日に解禁された大阪湾と播磨灘東播磨でも水揚げが振るわず、明石の漁協では初日の漁獲量がゼロという事態に。坊勢漁協の担当者は「予想はしていたが漁獲量が少ない。漁期の短縮も視野に検討が必要かもしれない」と険しい表情だった。(松本茂祥)
