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「シルクロードには日本が失った懐かしい原風景が残っている」と話す難波正司さん=姫路市豊沢町
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「シルクロードには日本が失った懐かしい原風景が残っている」と話す難波正司さん=姫路市豊沢町

 歴史民俗研究団体「常民学舎」代表の難波正司さん(66)=兵庫県姫路市=が、ライフワークであるシルクロード研究の集大成として「旅の教科書-シルクロード学50講」を出版した。学生時代から続けるアジアや中東、地中海地方への旅の成果をまとめるとともに、日本文化の源流にも迫っている。(平松正子)

 中学時代に教科書でタクラマカン砂漠の写真を見て、シルクロードに興味を持ち始めたという難波さん。関西学院大在学中の1970年代からルート上の各地を訪れ、その旅はすでに20回を超す。2000年には自宅に「香寺シルクロード館」を開設し、旅先から持ち帰った文物を公開している。

 本書ではシルクロードにまつわる地理や歴史、民族、宗教などについて、8章に分けて解説。年間に約80回行っている講演録が基になっており、話し言葉で書かれていて親しみやすい。「教科書」というだけあって図版も多く、重要な語句は太字にするなど、理解を助ける工夫を凝らす。

 特にこだわったのは第4章「シルクロードの美姫」だという。絹の発明者とされる中国の●祖、胸像が有名な古代エジプト王妃ネフェルティティ、隊商帝国パルミラを築いた女王ゼノビアらを紹介。多くの歴史が男性側からのみ書かれてきたことに疑問を感じ、女性の視点を持つことで、シルクロードの全体像を明らかにする試みだ。

 巻末にはシルクロードを知るためのブックガイドや年表も掲載。また13編のコラムを随所に収め、シリアでゲリラ戦に巻き込まれた体験や、モンゴルの大草原で子どもたちと遊んだ思い出をつづる。

 難波さんは「学者の書く研究書は限られた地域や時代については詳しいが、シルクロードの全容を伝える本は少ない。人体でいえば、シルクロードは脳や心臓や胃を結ぶ血管。血液検査で多くのことが分かるように、シルクロードを知れば日本や世界が見えてくる」と話す。

 発行は常民学舎。1500円。

※●は「女」偏に「累」

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