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「コゴミ」が順調に育って笑顔を見せる中濱一美さん=市川町下牛尾
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「コゴミ」が順調に育って笑顔を見せる中濱一美さん=市川町下牛尾

 人里離れた一軒家を探す人気テレビ番組じゃないけれど、兵庫県市川町下牛尾の山林にぽつんと山菜園がある。主は西脇市の男性。インターネットでひたすら航空写真をスクロールして見つけたというこの場所は、元々リンゴ園だった。2月に荒れ地を耕して準備を整えると、早速コゴミやウドなど山の幸が育った。「来年には根を張るので収穫体験を受け入れたい」と本格開園への展望を語る。(井上太郎)

 JR播但線甘地駅から北へ約7キロ。笠形山のふもとにある野外活動施設「リフレッシュパーク市川」の駐車場から少し登った棚田に4月、男性を訪ねた。

 整った畝から15センチほど伸びた茎を摘み、「おすすめは天ぷらか白あえや」。先端がくるっと巻いた「コゴミ」というシダの若芽で、「知らんか? アクが少ないから生でもいけるよ」。

 男性は西脇市黒田庄町の鉄工所経営、中濱一美さん(72)。地元の小さな畑で育てた山うど▽フキ▽タラノメ▽ヤブカンゾウ-などの苗を軽トラックで市川町まで運び、植えた。山菜園は南向きで日当たり良好の約5千平方メートル。「航空写真を眺めてて、『ここや』と思った」という。

 会社員時代から登山好き。「天然のクーラーが一番や」と夏場、六甲山に張ったテントから宝塚市の職場まで通勤していたこともある。32歳で独立後の息抜きは、友人たちとの山菜やキノコ狩り。尼崎市に構えた鉄工所を阪神・淡路大震災後、西脇市に移す。「自然に囲まれて暮らしたい」と、家庭菜園を始めた。

 一方で、山菜づくりは満喫できなかった。近隣には農家もあり、「米や野菜の成長を妨げるかもしれないから」と、山麓の小さな畑でほそぼそと続けた。

 2018年ごろに息子に社長を託し、趣味に費やせる時間が増えると「山菜愛」が再燃。19年春からひたすらインターネットの地図で山菜園の候補地を探した。自宅から車で40分。隣に川が流れ、リンゴ園時代の外柵も残っている。今年2月、市川町に問い合わせると、活用しかねていた町も素早く応じた。

 「自分が好きやからほかの人も喜ぶやろうと、単純な考え」でやってきたという中濱さん。今年採れた山菜は販売せず、住民らにお裾分けした。敷地にはスギナやワラビも自生する。「若い人が自然に親しむには最適」と信じ、来年春の開園を目指して準備に励む。

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