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初公開されている「件之図」。詳細な描写に妖怪博士の香川雅信さんもびっくり=県立歴史博物館(撮影・小林良多)
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初公開されている「件之図」。詳細な描写に妖怪博士の香川雅信さんもびっくり=県立歴史博物館(撮影・小林良多)
撮影が許可されている「件の剥製」。写真を持ち歩けば御利益があるかも?=県立歴史博物館(撮影・小林良多)
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撮影が許可されている「件の剥製」。写真を持ち歩けば御利益があるかも?=県立歴史博物館(撮影・小林良多)

 「アマビエ」ブームの次は「件(くだん)」? 兵庫県立歴史博物館(姫路市本町)で開催中の特別展「驚異と怪異-モンスターたちは告げる」で、妖怪「アマビエ」と同様に疫病を退散させるとして、人間のような顔を持った牛「件」が話題だ。従来知られていなかった絵図が会期直前に館内で発見されたほか、所蔵者の意向で展示物である剥製の写真撮影が特別に許されるなど、既に不思議なパワーを発揮している。(平松正子)

 同展は人魚や竜、一角獣など想像上の生き物を245点の資料で紹介。新型コロナウイルスの影響で、当初の予定より約2カ月遅れて6月23日に開幕した。

 件の絵図が見つかったのは、展覧会の準備も終盤に差し掛かっていた同11日。同館が所蔵する城郭研究者、故鳥羽正雄氏のコレクションの中にあった。今春採用された城郭資料担当の学芸員竹内信(まこと)さんが館蔵品を確認していた際に発見し、同展担当の香川雅信学芸課長に報告した。

 包み紙に「件之図」と書かれており、中の絵には、人間のように丸い頭部を持ち、横たわった子牛が描かれている。添えられた文には「安政7(1860)年閏(うるう)3月12日、和気郡井田村(現・岡山県備前市)の百姓・市松の飼っていた牛が産み、親子ともすぐに死んでしまった」などの説明があり、身体各部の詳細な寸法も記されていた。

 香川さんは「おそらく岡山藩に報告するために描かれたもので、江戸時代の件の絵としては他に類のない詳細さ。池田氏の資料として、鳥羽コレクションに入っていたのだろう。当初の会期なら展示できなかったが、急きょ公開を決めた。まさに驚異ですね」と語る。

 件とみられる図としては、ほかに文政10(1827)年、越中国(富山県)に現れた「クタヘ」の絵も展示されている。そこには件が疫病の流行を予言するとともに、「わが形を描いた絵を見る者は難を逃れる」と告げたとの記述も。アマビエの図(1846年)より早く同様の御利益をうたっていたと分かる。

    ◇

 展覧会で異例の写真撮影が許可されているのは「件の剥製」。もとは群馬県の興行師が見せ物にしていたもので、現在は怪談収集家の木原浩勝さん=尼崎市出身=が所蔵する。木原さんはかつてスタジオジブリに所属し、アニメ「となりのトトロ」などの製作に携わったことでも知られる。

 写真撮影は「コロナの収束につながれば」と木原さんから提案があり、剥製の横に「わが姿を写して人に見せよ 写真撮影OK」というパネルを設置した。香川さんによると「所蔵者側から撮影許可の申し出があるなんて極めてまれなこと」だという。

 同展は8月16日まで。原則月曜休館。大人千円。同館TEL079・288・9011

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