姫路

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幼少期からの思い出をたどる西宮市の女性。閉園を知り「姫路の子どもにとって手柄山は特別な存在でした」=西宮市内
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幼少期からの思い出をたどる西宮市の女性。閉園を知り「姫路の子どもにとって手柄山は特別な存在でした」=西宮市内
上空から見た姫路市民プール=姫路市西延末(撮影時期不明、ひめじ手柄山遊園管理事務所提供)
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上空から見た姫路市民プール=姫路市西延末(撮影時期不明、ひめじ手柄山遊園管理事務所提供)

■変わらないから愛された

 半世紀近くにわたって市民に親しまれてきた手柄山の遊園地(兵庫県姫路市西延末)。こんな“ルート”を歩んだ人も多いかもしれない。

 姫路出身で、今は同県西宮市に住む女性(27)。最初の記憶は幼稚園児の頃だ。メリーゴーラウンドへと続く階段を、親に手を引かれて上った。知らない女の子と仲良くなり、一緒に綿あめを頬張った。ありふれた甘さが、特別な味に感じられた。

 小学生。友人らとプールに通った。ちょっとした遠足気分。年上の若者に混じって流れるプールに身を任せると、ちょっぴり大人になった気がした。

 中学生。勉強や部活に追われて足が遠のいた。遊びに行くとしたら、今はなきファッションビル「姫路フォーラス」や、大阪の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」。手柄山の遊園地は「小さい子が行く場所」と、気に留めなくなった。

 再び通うことになったのは大学1年の夏。短期のアルバイトを探していたら、偶然スタッフを募集していた。「どうせガラガラで暇だろう」。予想はあっさり外れ、開園前から長蛇の列。水着姿の男の子が、待ちきれない様子で浮輪を膨らませていた。

 入場ゲートが開くと、一斉になだれ込む。「飛び込まないで」と声をからしても、お構いなしにザブン。絶え間ない歓声に「私が行かなくなってからも、いろいろな人の思い出を紡いでいたんだ」と実感した。

 夢中で通い、距離を置き、そしてまた訪れる-。本紙が募集した読者らのエピソードにも、同じような経験が多く寄せられた。

 子どもの頃は父や母と。中学になって友達と。結婚してからは大阪、滋賀に住んでいたので行く機会がなかったけど、姫路に戻ってからは子どもたちと毎年のように行ってました。(40代女性)

 子どもが友達と行くようになってからは遠ざかってしまいました。孫が生まれたら連れて行きたかった場所でした。(30代女性)

 冒頭の女性は昨年、結婚を期に西宮市へ転居した。学生時代のアルバイト以降、遊園地は訪れていないが、神戸の須磨浦山上遊園や尼崎の三和市場など、レトロな場所へ行くたびに手柄山の風景が重なる。

 世の中は加速度的に変化し、新しいものがあふれる。その中で、どこか取り残されたようにも見える遊園地。でも、女性は思う。

 「ややこしいルールもなく、誰もが平等に自由に楽しめる。ずっと変わらなかったからこそ、みんなに愛されたんでしょうね」(山本 晃、安藤真子、小川 晶)

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