姫路

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コロナ禍の中で迎えた最後の夏。園内はがらんとしている=姫路市西延末
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コロナ禍の中で迎えた最後の夏。園内はがらんとしている=姫路市西延末
遊園地の最盛期を振り返る福本知幸さん。「開園前の行列は2500人に上った」という=姫路市大塩町
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遊園地の最盛期を振り返る福本知幸さん。「開園前の行列は2500人に上った」という=姫路市大塩町

■時代の流れ逆らえない

 プール営業期間中はピーク時の41%、遊園のみの期間は8%。これは、2019年に手柄山の遊園地(兵庫県姫路市西延末)を訪れた人数を、1980年代の最盛期と比較した数字だ。プールを営業していない時期の落ち込みが際立つ。

 「家族連れが多かったですけど、団体客も目立ってましたね」。現在は姫路シーサイドゴルフコースで支配人を務める福本知幸さん(63)が振り返る。

 81年に遊園地を運営する市の外郭団体・都市整備公社(現まちづくり振興機構)に入り、2年間配属されたのが遊園地だった。姫路周辺のほか、岡山県からもバスが連なり、プールサイドに設けられた休憩エリアがござで埋まった。

 本紙にも、子ども会などで訪れた際の思い出が寄せられている。

 小さい頃から子ども会で何回も連れて行ってもらいました。遊園地の中ではロックンロールが大好きで何回も乗っていました。(30代女性)

 岡山県津山市の出身ですが、小学生時代の夏は毎年、母子家庭会の日帰りバス旅行でプールに行ってました。貧しく、余裕のない家庭で育ったので、レジャーと言えば夏のプール旅行でした。楽しかった思い出は今でも鮮明です。(40代男性)

 福本さんは、総務部門への異動後も夏季になると遊園地の業務にかり出されていたが、10年ほどでなくなった。レジャーの多様化などで施設全体の入園者が減少していたからだ。

 収入が落ち、遊具の更新が滞る。そんな悪循環に、07年のエキスポランド(大阪府吹田市、閉園)であったジェットコースター事故が追い打ちをかける。

 施設の点検基準が厳しくなり、維持管理費用が膨らんだ。人気の遊具が次々に運転をやめ、開設時からあった定番のジェットコースターと観覧車も16年に休止した。入場券売り場で「大型遊具がないなら」と引き返す客もいた。

 10年代に入ると、遊園地の撤去を前提とした手柄山一帯の再開発に向け、検討が本格化した。運営主体の幹部として市に意見を求められた福本さんは、こう答えた。

 「プール設備の老朽化も進んでいる。仕方がないと思います」

 17年1月、閉園の方針が盛り込まれた市の整備基本計画が策定され、その2カ月後に定年退職を迎えた。「昔ながらの遊具が並ぶレトロな雰囲気が生きる道だと思っていましたが、時代の流れには逆らえなかった」と福本さん。とつとつと振り返る口調に、寂しさがにじんだ。(山本 晃、安藤真子、小川 晶)

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