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10代の自分へのメッセージを込めた作品を制作する中川まりさん=姫路市
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10代の自分へのメッセージを込めた作品を制作する中川まりさん=姫路市

 足の障害と向き合いながら、書や絵画を制作する中川まりさん(36)=兵庫県姫路市=が、インターネットで寄付を集める「クラウドファンディング(CF)」で初めての作品集の出版を目指している。健常者と同じように生きられず、苦しみ、悩んでたどり着いた「どんな自分も許し、認め、受け入れる」という思いを多くの人に伝えたいと願う。(地道優樹)

 中川さんは神戸市出身。神経の束がある脊椎に脂肪の塊が付いた状態で生まれ、両足などがまひする難病「二分脊椎(にぶんせきつい)症」と診断された。何度も手術を受けたが足首からつま先にかけてまひが残り、つえや下肢装具を使わないと歩けない。

 もともと活発な性格だったが、小学生になると、同級生の運動能力に付いていけなくなった。足を引きずる姿に向けられる周囲の目線を避け、うつむいて歩いた。悔しさから同級生に弱みを見せられず、家族にも相談できなかった。

 「私も足が普通だったらイロんな靴が履けるのに。イロんな服着れるのに…」「こんなこと考えていたらダメだ。私は私。人と同じじゃなくていい」。中学、高校時代に感情を書き留めたメモが今も手元に残る。

 21歳で結婚。1男2女に恵まれ、28歳で姫路に引っ越した。子育てや家事を完璧にやろうとして、自分を追い込むようになった。けんかをする子どもたちの姿に、涙が止まらない。

 「心の中で無理していたことを手放そう」。そう心に決め、習い事やゲーム時間への干渉をやめた。料理や掃除などの家事も「しなければいけないわけではない」と自分に言い聞かせるようにした。自分自身の行動を否定するのではなく、肯定することで、障害についても少しずつ向き合えるようになった。

 子育ての傍ら、そんな自分自身を3年ほど前から絵画や書で表現するようになった。幼い頃から筆に親しんでいた経験を生かし、独学で学んだ絵画と組み合わせた作品も。10代のころの言葉や思いを基に、直感で題材を決めているという。

 今年7月には、姫路市本町のイーグレひめじで3日間の個展を開催。大地に根を張る大樹や、「自分を丸ごと許してあげよう」との20年越しのメッセージを込めた「許」の文字などが並んだ。

 8月からは、36点を収録した作品集の自費出版を目指し、50万円を目標に支援を呼び掛ける。中川さんは「作品を通じて、理解や共感がされにくい孤独な思いを抱えた人たちも、いつかきっと心癒やされる時間が過ごせるようになると伝えたい」と話す。

 CFサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で9月30日まで受け付けている。

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