姫路

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けんか祭りの写真があしらわれた一升瓶=姫路市白浜町甲
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けんか祭りの写真があしらわれた一升瓶=姫路市白浜町甲
秋祭り縮小の影響を語る酒店「やまもと屋」の山本富昭さん=姫路市網干区北新在家
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秋祭り縮小の影響を語る酒店「やまもと屋」の山本富昭さん=姫路市網干区北新在家

 新型コロナウイルスの影響で兵庫県姫路市内の大半の秋祭りが神事のみとなり、地域の酒店が打撃を受けている。祭りに合わせ、あちこちで酒が飲み交わされるこの時期は繁忙期となるはずが、今年は屋台練りの取りやめなどで親族や友人らが集う場は失われた。祭りへの思いがひときわ強い市南部でも注文は激減し、店主らは「正直しんどい状況だ」と悲痛な声を漏らす。(田中宏樹)

 「いつもなら正月や盆よりも祭り時期の方が忙しいんだけど…」。松原八幡神社(同市白浜町)の楼門前にある山田酒店の店主・山田陽一郎さん(59)が声を落とした。陳列棚には氏子地区の屋台の写真をあしらった日本酒の一升瓶が並ぶ。「今年はこれも売れていない。祭り関係の注文はほとんどなかった」と表情を曇らせる。

 同神社は「灘のけんか祭り」で知られる。例年なら祭りの日に向け、店には地元の自治会や住民からビールや酎ハイ、日本酒などの注文が舞い込む。担ぎ手たちは準備のための会合後や祭り当日に酒を飲み、地区の住民は親族や友人らを招いて食事を振る舞う。

 「でも、今年はそんな集まりも控えたのだろう」と山田さん。祭り仕様の一升瓶は10月末まで店に置くつもりだが、売れ行きは見通せない。神社で神事があった15日も例年のようなにぎわいはなく、「練りの自粛も酒の販売が厳しいのも仕方ない。でも、活気がないまちで仕事をするのが寂しい」とつぶやく。

 同市網干区北新在家の酒店「やまもと屋」の山本富昭さん(50)も「今月の売り上げは恐ろしくて見ていないが、昨年をかなり下回るだろう」と話す。地元の魚吹(うすき)八幡神社で毎年21、22日にある祭りは名物の「提灯(ちょうちん)練り」などが見送りとなった。例年なら、屋台の乗り子を務める家へ贈る酒だるや一升瓶の注文が入るが、今年はゼロという。

 影響は地元の酒造業にも及ぶ。「龍力」で知られる老舗酒蔵の本田商店(同市網干区高田)はこの秋の出荷量が例年の2~3割減に。本田真一郎社長(69)は「祭りは地酒を飲んでもらえる機会でもあり、この状況は正直痛い」と明かす。

 逆風が吹く中、前を向こうとする店もある。山陽電鉄的形駅前の「坂谷商店」は、今年もオリジナル商品を販売。地元の湊神社の秋祭りは規模が縮小されたが、例年通り日本酒の瓶に前年の祭りの写真を貼って売り出す。

 店主の坂谷佳郎さん(47)は「コロナに負けたらあかんという思いも込めて、今年も店に並べた。来年は盛大に祭りができ、お酒も楽しんでもらえる状況になってほしい」と願った。

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