ミニチュア甲冑、フルカラー彫刻… お酒のボトルが華麗に“変身”
2020/12/04 05:30
「神田工業」の高島一郎社長が商品化したボトルアーマー=姫路市神田町
記念品やプレゼント用のお酒のボトルを彩る商品が、酒どころ兵庫・姫路で続々と生まれている。ミニチュア化した甲冑(かっちゅう)をかぶせたり、瓶にフルカラーの彫刻を施したり…。お歳暮の季節を迎え、家族や親しい人への贈り物に役立ちそうだ。(地道優樹)
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徳川家康、伊達政宗…。戦国時代の名将が、酒瓶の上でにらみを利かせる。兵庫県姫路市神田町の「神田工業」の高島一郎社長(44)は8年前、ミニチュア化した甲冑をボトルにかぶせた「ボトルアーマー」を商品化した。
甲冑は、伝統工芸品「江戸甲冑」の職人大越保広さん(51)=埼玉県=に制作を依頼。組みひもで革細工や京織物、金装飾を手縫いしながら全身のパーツを仕上げていくため、1体を制作するのに2カ月ほどかかるという。
戦国武将の甲冑やイメージカラーにちなんだ10種類を、インターネットや空港の免税店で販売。7万~9万円代の価格帯が中心だが、通算400体以上を売り上げたという。今後、好きな言葉や模様を金属板にプレスして兜に飾れる「マイボトルアーマー」も商品化する予定だ。
「端午の節句で子どもに甲冑を贈る文化は日本にしかないもの。他の記念日にも広がっていくきっかけになれば」と高島さん。神田工業物販事業部TEL079・296・4155
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アルフォンス・ミュシャや竹久夢二の色鮮やかな名画があしらわれたボトル。よく見ると細かく彫刻されている。手掛けるのは酒類卸売りの「光明兼光」(姫路市飾磨区構)。ワインや日本酒などの瓶に絵やロゴを彫刻するサービスを10月から始めた。色付けは職人8人が手塗りしている。
ボトル工芸に乗り出したのは6年前。当初はガラスの表面をレーザー加工していたが、細かい砂を吹き付ける「サンドブラスト」を取り入れ、深みを出した。耐水性の高い塗料も開発し、製法特許を取得した。
これまで企業や官公庁、酒蔵やワイナリーから、ロゴ入り記念品や観光名所を彫った土産物品などの依頼があった。デザインは当初、金や銀の単色に限られていたが、今年からフルカラー彫刻の生産を始めた。
720ミリリットルボトルで5千円から。誕生日や結婚、還暦祝いに似顔絵やメッセージを刻むこともできる。「グッズ会社からアニメキャラクターを彫りたいという依頼もある。自由に遊んでもらえたら」と内海淳社長(50)。同社TEL079・234・1234