スラム街を紹介 ケニア医療支援の男性が講演
2021/01/26 05:30
パソコンを通じて宮田久也さんとやりとりする生徒=姫路市本町
アフリカ・ケニアで医療支援活動に取り組む宮田久也さん(44)=兵庫県姫路市=の特別授業が22日、同市本町の白鷺小中学校で開かれた。ビデオ会議アプリで首都ナイロビとつなぎ、7年生約80人が姫路にいながら現地の暮らしを体感した。
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宮田さんはNPO法人「チャイルドドクター・ジャパン」の理事を務める。ナイロビでクリニックを開設するなど、スラム街の子どもたちが医療を受けられる環境づくりを進めた。治安悪化で2015年に帰国し、姫路でリモート勤務を続ける。この日は、オンラインで授業をした。
現地のスタッフがスラム街からライブ中継し、共用の水くみ場や商店などの様子を教室のテレビに映し出した。宮田さんは下水道が未発達な現状に触れ、「汚水を触ることで子どもたちが病気になることもある」と説明。スラム街から数キロ離れたビル街も中継し、貧富の格差が大きい現地の実情を伝えた。
参加した男子生徒(13)は「商店一つでもスラム街とそうでない地域では差があり、今の生活のありがたさを感じた」。宮田さんは「画面越しでも子どもたちが聞き入る様子が伝わってきた。国際協力に関心を持つ人が増えれば」と話した。29日には現地の子どもたちとのオンライン交流も予定されている。(山本 晃)