「十字紋の鬼瓦」30年ぶり化粧直し 姫路城「にの門」
2021/01/29 05:30
周囲の白漆喰が塗り直され、化粧直しした十字紋の鬼瓦=姫路市本町
兵庫県姫路市の世界文化遺産・国宝姫路城の天守西側にある「にの門」の修理がおよそ30年ぶりに進む中、城内に唯一ある「十字紋の鬼瓦」も真新しい白漆喰(しっくい)で塗り固められ、化粧直しした姿を見せている。
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姫路城には大天守など国宝8棟のほか74棟もの国重要文化財がある。保全のため毎年2~4棟ずつ修理され、約30年で一巡する。
にの門は櫓(やぐら)の下をかがんで通るトンネル状の構造で「暗がり門」とも呼ばれる。1989年度以来の修理が3月末までに終わる。
十字紋の鬼瓦は、にの門西側の屋根に乗る。戦国期の姫路城主で、後にキリシタンとなった黒田官兵衛にちなんだ意匠という説もあったが、市立城郭研究室は「時代が異なり、事実ではないだろう」とする。
寒風の中、修理に携わる左官の八木晃三さん(73)は「天気に応じて漆喰の配合を変えるなど経験も大事な仕事。きれいになったと言われるとうれしいもんです」と作業に打ち込んでいた。(小林良多)