元高校教諭、職業「体験型」の学習塾オープン「なりたい自分イメージを」

2021/02/19 05:30

「なりたい自分の姿を一緒に描いていきたい」と話す杉本健太さん=姫路市増位新町1

 高卒3年以内の離職率が高止まりを続ける中、元高校教諭が、将来の職業を具体的にイメージする手助けをする中高生向けの「体験型」学習塾を兵庫県姫路市内に開いた。通常の勉強だけでなく、地元企業の関係者やスポーツ選手らとの対話や模擬面接などを通じ「なりたい自分や将来の姿をイメージしてもらいたい」という。(広畑千春) 関連ニュース 現代の“寺子屋”神戸市が支援 月謝不要で学生が中学生指導 先輩の経験談、中高生に刺激 学習塾がオンライン交流会 学習塾のオンライン授業 休校長期化で受講希望増


 同市増位新町1の「体験型自立学習塾Haven(ハーブン)」。塾長の杉本健太さん(27)は関西の私立高校で3年間勤務した。大半が就職し、杉本さんもその指導に当たったが「生徒は求人票を眺めて何となく企業を選び、教員が志望理由を考えていた」と振り返る。
 一方で、全く授業にやる気がなかった生徒が、会社見学で人が変わったように目を輝かせて将来を語る姿も目にした。「就職する前にもっと現場の人に触れ、本当の意味で『働くこと』を知ってほしい」と思うようになったという。
 厚生労働省によると、2017年3月の新卒就職者の3年離職率は、大卒の32・8%に対し、高卒は39・5%。1年目の離職率も高卒の方が高い。コロナ禍を背景に、企業はより意欲のある人材を求める傾向を強めており、「ミスマッチ」の解消が課題になっている。
 塾では、姫路市内の企業関係者やインターネットを通じて知り合った元プロサッカー選手、パティシエらと連携。平日は学習教材を使って勉強のルーティン(日課)を身に付け、夜間や休日などに「体験」を実施。杉本さんは「人脈を広げ、将来的には姫路で働く人たちの『職業図鑑』のようなものを作れたら」と模索する。
 22、23日には無料体験会を開く。オンライン参加も可。

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ