姫路

  • 印刷
明治・大正期に三越が制作した美人画ポスターなどが並ぶ会場=県立歴史博物館
拡大
明治・大正期に三越が制作した美人画ポスターなどが並ぶ会場=県立歴史博物館

 江戸末期から戦前にかけての広告物の変遷をたどる特別企画展「広告と近代のくらし」(神戸新聞社など主催)が、兵庫県姫路市本町の県立歴史博物館で開かれている。華やかな錦絵(にしきえ)や百貨店の美人画ポスター、広告塔の役目も担った最初期の自動販売機など約200点を展示。暮らしの変化に合わせてより効果的な広告デザインが開発される半面、大衆を戦争に駆り立てるプロパガンダに悪用された側面も伝える。7月4日まで。(地道優樹)

 江戸時代の広告といえば、多色刷(ず)りの木版画「錦絵」。商店や薬の行商人が客に配っていたもので、絵の傍らに店名や商品名を記していた。会場には幕末から明治期にかけての約30点が並び、歌舞伎の名場面や、えびす、大黒などおめでたい図柄がそろう。

 20世紀に入ると、三越や大丸などの百貨店が登場。新商品や季節の催しを紹介するPR誌や絵はがきが作られ始めた。洋装に身を包むモダンガールがあしらわれた1910年創刊の「大阪の三越」や、戦前の阪急百貨店のカタログなど約50点が並ぶ。

 ひときわ目を引くのは、着物姿の女性を大きく描いた三越の「美人画ポスター」。若い芸者を写実的に描いたり、アールヌーボー風のイラストにしたりした明治大正期の4枚が並ぶ。印刷費用が下がった昭和初期には、酒造やたばこのメーカーも制作を始め、ビールを手に笑顔を浮かべる女性のポスターもある。

 20年代には雑誌の広告も存在感を強めた。児童向けの「幼年倶楽部(くらぶ)」や女学生向けの「少女の友」には、菓子メーカーの広告が毎号掲載されるように。戦時中には、表紙の見出しも「戦ひはこれからだ」「乗客も輸送船の戦士だ」と軍事色が濃くなり、兵器工場で日の丸の鉢巻きをして作業する女学生が描かれた。

 1924年に製造された自動販売機も展示。袋入り菓子のPRのため、当時の人気キャラクターが描かれている。担当学芸員の吉原大志(だいし)さん(36)は「昭和期から字体やレイアウトなどデザインの研究が進み、広告は『商業美術』へと発展した。社会をつくり変える力を持ち、使われ方も大きく変わっていった」と解説する。

 午前10時~午後5時。一般500円、大学生350円、高校生以下無料。月曜休館。同館TEL079・288・9011

姫路
姫路の最新
もっと見る

天気(6月20日)

  • 29℃
  • 20℃
  • 0%

  • 27℃
  • 17℃
  • 0%

  • 30℃
  • 20℃
  • 10%

  • 30℃
  • 19℃
  • 10%

お知らせ