「幻のヘビ」シロマダラ、自宅玄関で見つける メディア紹介で発見例増加
2021/06/16 05:30
椎名賢さんが見つけたシロマダラ。「幻のヘビ」とも言われる=姫路市
兵庫県姫路市の椎名賢さん(43)が、「幻のヘビ」とも称されるシロマダラを自宅玄関前で見つけた。昨年も同市香寺町の民家で確認され、9月2日付の本紙姫路版で紹介。当時の記事で柄を覚えていた椎名さんは「『もしや』と思い捕まえました」と興奮しながら発見時を振り返った。
関連ニュース
“幻のヘビ”神戸の山中で発見 「自然守られている証拠」
神社で幸運の「白ヘビ」発見! でも実は…
マムシかと思った…幻のヘビ「シロマダラ」発見 主婦が3歳息子を守ろうとして捕獲
椎名さんは今年4月から今の場所に暮らし、自宅兼アトリエに開いた「カザグルマ鞄(かばん)教室」でレザークラフトを教えている。周辺は自然豊かで気に入っているが、5月に入ると屋内に度々ムカデが侵入。1歳の長男を心配し、就寝前に玄関の周辺を確認するのが日課になった。
5月19日夜、いつものように懐中電灯を持って玄関前を調べていると、視界の隅に細長い生き物が入った。すわムカデか-と光を当てると、そこにいたのは全長30センチほどのヘビ。さらによく見ると、どこかで見覚えのある柄だ。捕獲後にインターネットで調べると過去の記事がヒットし、「幻のヘビ」と確信した。
シロマダラは県版レッドリストで「存続基盤が脆弱(ぜいじゃく)」なCランクに分類される。同市環境政策室の津田英治係長によると、無毒で成体でも全長は60センチ程度。小型で夜行性のため見つかりにくく、“幻”とも言われる。津田さんは「メディアの影響などで認知され始め、発見例も増加傾向にある」としつつ、「出くわすのが珍しいヘビには違いない」と話す。
数日後、自然に返したという椎名さんは「引っ越してきたばかりで縁起がいい。教室も軌道に乗ってくれればうれしいですね」と声を弾ませた。(森下陽介)