海外にいても姫路城観光 アプリ活用し「バーチャルツアー」
2021/07/26 05:30
ネット中継しながら英語でガイドする杉島昇さん=姫路城
新型コロナウイルス禍で休止している姫路城(兵庫県姫路市)の外国人観光客向け定時ガイドに代わり、海外にいながらお城の内外を観光できるバーチャルツアーが25日、始まった。現地でガイドが菱の門や西の丸などを案内しながら、ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使って画面の向こうの外国人にも解説。通常はコースに含まれない大手門なども紹介した。(吉本晃司)
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外国人観光客向けの定時ガイドは2018年11月から始まり、毎日、英語や中国語で城の内部を解説していた。20年3月末までに約4200人を案内したが、コロナ禍で外国からの出入国が難しくなった4月以降は休止している。
姫路城管理事務所は、コロナ禍でも外国人に城の魅力を伝え続けようと、ガイドツアーのネット中継を企画。最初のバーチャルツアーには英、米、中国などから26人の参加申し込みがあった。
この日はガイドの杉島昇さん(66)が、内堀の外から案内を開始。通常は解説しない大手門や三の丸広場も英語で説明しながら、スマートフォンでネット中継するスタッフと共に菱の門や西の丸などを歩いた。
途中、暑さで中継用のスマートフォンが停止するトラブルがあり、夏場は冷却対策が必要なことが判明。杉島さんは「相手が見えないバーチャルツアーはガイド中の間をもたせる感覚が分かりづらく、余計にしゃべろうとしてしまう」と戸惑いつつ、「コロナ禍が収まれば、姫路城を実際に訪れてほしい」と話した。
今後は月2回、日曜日の午前10時と午後3時に出発する。無料。日程は不定期で、午前と午後で異なるガイドが担当する。参加希望者は姫路城公式ホームページから申し込む。姫路城管理事務所TEL079・285・1146